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令和2年 第四回中央区議会定例会 (11月24日)

議事録

梶谷委員

立憲民主党新風会の梶谷優香です。令和二年第四回中央区議会定例会に当たり、通告書に従い、質問をさせていただきます。なお、再質問をあらかじめ留保させていただきます。

初めに、災害・防災対策についてお伺いします。

十一月十一日の毎日新聞によれば、内閣府が市区町村に要望する災害発生時のトイレの確保・管理計画を全国の二十政令市と東京二十三特別区で八月にアンケートを実施し、全四十三市区から回答を得て、十月まで補足取材も行い、その結果、六割が策定していないことが判明したという記事がありました。さらに、各自治体が想定する最大避難者数に対し、ガイドラインの目安を満たす携帯・仮設トイレなどを確保できているかというアンケートは、五割強に当たる二十三市区が確保できていないと回答したそうです。

本区としましては、避難所となる区内小・中学校等の防災拠点、公園・児童遊園等に災害時に活用できるトイレを全てに整備しています。毎日新聞の記事によれば、本区は、災害発生時のトイレの確保・管理計画を策定できていないようですが、具体的にどの点が課題なのか、現状について教えてください。今後、速やかに策定すべきだと思いますが、区の御見解はいかがでしょうか。

中央区が配信している防災マップアプリを私もダウンロードしていますが、事前に設定しておけば、災害時に素早く安否掲示板に投稿することができるなど、とても有益なアプリになっていると感じます。しかし、残念ながら、この防災マップアプリのダウンロード状況は、令和元年度一万五千二百九十五件と、前年に比べて倍増しているものの、まだまだ普及しているとは言えない状況です。

今後、どのような方法でアプリの存在を周知徹底し、ダウンロード件数を増やしていくのか、具体的な方法について、区の御見解を教えてください。

先日、豊島区が民間企業と協定を締結し、災害時に開設する避難所の混雑状況をリアルタイムで表示するサービスを開始するとの報道がありました。同社のシステムに区内三十五か所の避難所の混雑状況を掲載するというもので、各避難所の収容数を平準化し、感染症リスクの低減につなげる目的があるようです。職員が避難所の状況を目視で確認し、「満・混雑・やや混雑・空いています」の四段階でシステムに入力し、情報を更新するということで、ウェブサイトにアクセスすれば、誰でもすぐに混雑状況を把握することができます。

都内では、豊島区のほかに、多摩市が導入しているそうですが、コロナ対策等、感染症予防の観点から、混雑状況の可視化が効率的な避難を促す、このようなサービスを中央区の防災マップアプリにも組み込んでいくべきではないかと思いますが、区の御見解はいかがでしょうか。

次に、安全・安心なまちづくりについてお伺いします。

中央区でも、コミュニティサイクル、子供乗せ電動自転車、ウーバーイーツ配達員など、歩道も含めて、四六時中、自転車が縦横無尽に走行する昨今、自転車の安全走行については、区としても大きな課題となっています。

世田谷区では、条例が改正され、十月一日から十三歳未満の子供のヘルメット着用が保護者の義務となりました。台東区では、一歳児、二歳児を対象に、自転車用の幼児用ヘルメットの無償配布を行っています。目黒区では、目黒区自転車の安全な利用の促進に関する条例を十月一日に施行し、ヘルメット着用を推進するために、全ての区民を対象に、先着三百個ではありますが、上限二千円として、ヘルメット購入費用の補助事業を開始しました。豊島区では、満十三歳未満の幼児・児童の保護者、そして六十五歳以上の高齢者に対し、自転車商協同組合豊島支部に加入する自転車販売店で、最高二千円を差し引いた金額で購入できる事業を行っております。このように、各自治体が自転車の安全走行に向けて、独自の取組をスタートさせています。

本区では、これまでもヘルメット着用の重要性について、子供や保護者を対象とした交通安全教室等の機会を捉え、自転車安全利用五則を周知してきたことは承知しております。ですが、まだまだ周知が足りず、今後もより一層の施策を講ずるべきと考えますが、周知徹底する上での課題と、今後、新たに取り組む計画などがあれば教えてください。

以前も問題提起をさせていただきましたが、最近はペダルなし自転車が人気で、対象年齢は二歳からと、未就学児もまちの中で自転車遊具に乗車しています。ペダルなし自転車は、自転車ではなく遊具であるため、都条例においての全ての自転車利用者に対しての努力義務には当てはまらず、ヘルメットの着用も差があります。自転車死亡事故の損傷部位は頭が約六割を超えていることから、かけがえのない子供の身の安全を守るために、ペダルなし自転車も含めた自転車乗車時のヘルメット着用の義務化をはじめ、すぐにでもできる対策を講じていかなければなりません。

ヘルメット着用を推進するために、本区においても、ペダルなし自転車も含めた条例の策定や、ヘルメットの購入助成事業を行っていただきたいと思いますが、区の御見解はいかがでしょうか。

区内の各所轄の警察署が小学校に出向き、適時、交通安全指導を行っていただいていることは承知しておりますが、さらに定期的に、主に自転車安全走行に関する出前授業の充実・強化を各所轄の警察署に要請してはどうかと思いますが、区の御見解はいかがでしょうか。

さらに、警視庁のウェブサイトには、クイズや動画を使った小・中学生を対象とした自転車安全教室のページがあり、子供たちが楽しく学べる内容になっています。警視庁のウェブサイトの周知も含めた、さらなる充実・強化をお願いしたいと思いますが、区の御見解はいかがでしょうか。

町田市では、二○一八年四月に市民通報アプリ、まちピカ町田くんをリリースし、道路の不具合、公園施設・街区表示板の不具合に関する通報や生きもの発見レポートの送信に使用でき、スマートフォンのカメラ機能やGPS機能を利用して、手軽に通報できるシステムとなっています。このように、市民が気軽に画像を添付して通報できる仕組みは、道路や公園等に不具合があれば、現場の状況をすぐに判断できる場合もあり、速やかな修復につながります。

以前、公園の手すりの金具が緩んでおり、子供がぶら下がりやすい場所なので早急に対応してほしいと、区民の方がSNSに書き込んでいる投稿を目にしました。休日だったため、区にメールでの問合せはしたものの、早急に対応していただけるか分からず、SNSに書き込んでいるとのことでした。このような場合でも、すぐに対応できるように、ぜひ本区においても、区内約九十か所の公園・児童遊園の管理・保安点検の一助となり得るものと思いますので、導入を検討されてはいかがかと思いますが、御見解はいかがでしょうか。

厚生労働省の障害者総合福祉推進事業として、本年三月、身体が不自由な人をサポートする補助犬について、行政が普及啓発するための要点をまとめたガイドブックが完成しました。

公共交通機関や飲食店などで補助犬の同伴を拒否される事例は、二○○二年の身体障害者補助犬法成立後も後を絶ちません。公共施設、公共交通機関、店舗などの不特定多数の人が利用する施設では、補助犬を同伴する障害当事者の受入れを拒否してはならないことが補助犬法で義務づけられています。企業は、コンプライアンスを推進していく上で、補助犬使用者の受入れ拒否をしてはならないことを、自治体の責任で理解させる啓発が必要だと、ガイドブックでは強調しています。そのために、自治体と障害当事者、各種支援機関、飲食店、小売店、宿泊事業者、公共交通事業者、学校などの受入れ事業者との連携、コミュニケーション体制の構築が不可欠となります。例えば、横浜市では、補助犬等の登録手数料や補助犬定期健診の医療費助成を行うことで、市と補助犬使用者とのコンタクトを取っているようです。

本区では、補助犬の事業は東京都の管轄なので、具体的な補助犬数は把握していないということですが、窓口業務は担っているということでした。本区において、補助犬を使用する区民の方とのコンタクトはどのように行われているのでしょうか。本区の場合は、他の自治体からの補助犬使用者の訪問も多いと思います。今後、事業者等における補助犬の受入れの普及啓発について、区の御見解を教えてください。

次に、妊娠・出産から子育て環境の充実についてお伺いします。

十一月十六日、東京新聞の報道によれば、不妊治療をしている女性の八三%が仕事との両立を困難と感じ、治療で突発的に仕事を急に休まなければならなかった人は半数以上に上ることが、順天堂大学などの研究チームの調査で分かりました。調査は、二○一八年八月から十二月、国内四か所の不妊治療専門外来を受診していた女性患者に直接実施し、二十二歳から五十四歳の約一千七百三十人から回答を得たもので、多くの方が、職場の理解や、柔軟に仕事を休める制度を求めていました。経済的支援のほかに、職場において不妊治療の実情を知ってもらうことの大切さを浮き彫りにしていると思います。

厚生労働省の二○一五年の調査によれば、日本では、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある、または現在受けている夫婦は五・五組に一組の割合となっており、不妊治療へのサポート体制の構築は、今や社会の重要課題となっています。この調査は、次回、二○二一年に実施される予定ですが、不妊治療の保険適用がスタートすれば、治療を受けるカップルがさらに増えることが予想され、ますます職場での不妊治療への支援が求められるようになると思います。

去る十月二十六日には、内閣府に、不妊治療を受けやすい職場環境整備に向けた検討チームが発足し、不妊治療と仕事の両立のための職場環境の整備などについて議論が始まりました。厚生労働省が発行している事業者向けの「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」及び本人、職場の上司、同僚向けの「不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック」は、チェックリストもあり、具体的に、既に休暇制度等に取り組んでいる企業の事例も紹介されるなど、不妊治療と仕事の両立環境を整備していく上で指標となり、本区でもぜひ活用していただきたい内容になっています。

本区としても、不妊治療への支援を促すための様々な働きかけを積極的に行っていくべきだと思いますが、現状、企業に対してどのような働きかけを行っているのか、今後、どのような働きかけを行っていく予定があるのか、教えてください。

中央区役所の職員の方々の中にも、不妊治療を行っている方がいらっしゃるかもしれません。治療のために突発的に休みを取らなければならないことも生じると思いますが、中央区役所における、このような職員への対応について、現状と課題、そして今後の方向性について教えてください。

以前、母と子の保健バッグについて質問をした際に、中に同封するものが年々増加していく傾向にあるので、より使いやすいものを配布できるよう検討していくとの区長の答弁をいただきました。以前も紹介させていただきましたが、世田谷区の母と子の保健バックは、一つのファイルになっており、ファイル内を仕切って、時期や種別ごとに分けて封入し、視覚的にも使いやすいものとなっています。本区の母と子の保健バックの改善の方向性について、区の御見解を教えてください。

NTTドコモの妊娠中のメディア接触に関する実態調査では、九二%の妊婦が、不安が原因でネットサーフィンの時間が増えたと回答しています。一人でも多くの妊婦が安心して赤ちゃんを産み、育てられるように、本区としても、既存の民間のアプリ、例えば母子健康手帳アプリや「教えて!ドクター」などとの連携を検討してはどうかと思いますが、区の御見解はいかがでしょうか。

本区での出産できる病院が主に聖路加国際病院しかなく、その費用も百五万円から百十五万円程度と非常に高額なことから、助成する制度を検討してはどうかと、以前より要望しております。区長からは、区内で出産できる医療機関を確保するため、区が建設費等の助成を行い、聖路加助産院を開設し、六十万円台後半の分娩費用で利用できる環境を整えたこと、そして、通院に要する交通費等の経済的負担の軽減の観点から、タクシー利用券を贈呈しているので、さらなる助成は考えていないとの答弁でした。

六十万円台後半の分娩費用で出産できる聖路加助産院があるにもかかわらず、私が出産費用の助成について要望を続ける理由は、あまりにも聖路加助産院の利用条件が限定されていることにあります。まず、そもそも経産婦のみで、初産では出産ができず、既往歴や体格、家族の病歴、アレルギー、過去の妊娠・出産・産後の経過など、多くの条件があります。さらに、不妊治療による体外受精、顕微授精での妊娠も聖路加助産院を利用することができません。聖路加助産院での出産できる条件に当てはまらなかった妊婦に限り、出産費用の助成についても前向きに検討していただきたいと思いますが、区の御見解はいかがでしょうか。

そして、コロナ禍において、既に様々な妊婦への支援をしていただいていることは承知しておりますが、都心の妊婦にとっては、里帰り出産もしにくく、出産に対するハードルが高くなっています。里帰り出産がかなわなかった本区民の妊婦への時限的な出産費用の助成、産後ケア事業のさらなる支援についても、ぜひ前向きに検討していただきたいと思いますが、区の御見解はいかがでしょうか。

次に、教育環境の充実、学習活動の推進についてお伺いします。

先月、厚生労働省が全国二百二十の児童相談所を対象に、性的虐待について、初めての実態調査を行うという報道がありました。性的虐待への児童相談所の対応に焦点を絞った国の調査は初めてで、昨年一月、千葉県野田市の小学四年生の女の子が、父親から虐待を受け、死亡した事件がきっかけとなっています。二○一八年度、全国の児童相談所への相談・通告のうち、性的虐待は僅か一・一%にとどまっていますが、家庭内の性的虐待等の被害は、特に周りに話しづらく、数字は氷山の一角と指摘されています。

一方、コロナ禍において、十代の妊娠相談が急増しました。学校が休校になった三月から五月、NPO法人ピッコラーレが運営する妊娠相談窓口、にんしんSOS東京に十代から寄せられた相談件数は、前年の一・八倍、正しい避妊方法を取っていたと見られる人の割合が激減しており、毎日新聞の記事によると、年度末に行われることが多い性教育の授業がなかったことも影響したと見られています。

十一月四日、最高裁で逆転有罪となった父親による娘への性的虐待事件など、長期間子供への性暴力が繰り返された事件も各地で明らかになっている状況を考えると、性交同意年齢が刑法で十三歳と設定されている日本では、子供たちが、まずは知ることが大切で、より一層児童への性に関する教育と啓発の重要性が増してきていると思います。

ところが、小・中学校の学習指導要領における性教育については、断片的で、性行為の具体的な内容は指導されておらず、不妊にもつながりかねない性感染症については、中学三年生にならなければ指導が始まらないのが現状で、小・中学生に対する、より現実的な性教育が求められていると思います。日本においても、五歳から十八歳以上までの子供や若者にとって、正確で、それぞれの年齢に適したカリキュラムを提供できる国際的な性教育の指針、国際セクシュアリティ教育ガイダンスに基づく性教育が実施されることが望ましいという声もあります。

秋田県では、平成十二年より、秋田県産婦人科医会が中心となり、中高生への性教育講座を開始したところ、十代の中絶率が平成十三年をピークに減少に転じ、平成十九年にはピーク時の三分の一以下まで減少しました。また、二○一九年には、京都市男女共同参画推進協会の性的同意をテーマにしたハンドブックが、全国の男女共同参画センターの事業を対象にした事業企画大賞でグランプリを受賞し、全国から問合せが来ています。国では、緊急避妊薬を含む避妊へのアクセス改善の検討が始まり、性教育に関する社会のニーズは明らかに高まっています。

本区の区立小・中学校における性感染症教育も含めた性教育の現状、また、子供たちに対する性教育、性感染症教育、啓発を行っていく上での課題などについて教えてください。

本の森ちゅうおうの開設、晴海図書館の新設等、本区における図書館の充実には大きな期待がかかっているところです。子供の貸出者数は、平成二十七年以降、増加傾向にありますが、さらに子供たちが楽しく図書館の本を借りられるように、読書通帳をぜひ本区でも取り入れてほしいと思っております。

読書通帳とは、図書館に設置した通帳機に読書通帳を入れることで、図書館システムの貸出履歴から一か月以内の図書を印字するもので、本の価格も印字され、借りた本の総額が読書貯金として明示されるものです。読書記録としても有効で、子供たちの読書意欲をますます高めるインセンティブにもなっています。機械は卓上タイプもあり、現在、全国の図書館で七十一台設置されているということですが、学校での図書貸出しとも連携させることもでき、オリジナルの通帳を作った自治体もあります。ぜひ本区の図書館にも設置していただきたいと思いますが、区の御見解はいかがでしょうか。

以上で第一回目の質問を終わります。

区長(山本泰人君)

梶谷優香議員の御質問に順次お答えいたします。

初めに、災害時のトイレの確保・管理計画についてであります。

災害時に、避難所において安定した避難生活を送るためには、必要なトイレの数を確保するとともに、適切な管理を行っていくことが不可欠であります。そのため、区では、地域防災計画に基づき、既存トイレの排水管の耐震化を進めるとともに、マンホールトイレの整備や簡易トイレの備蓄などを行っており、発災当初に必要なトイレ数については、国のガイドラインが示す必要数を確保しております。あわせて、マンホールトイレの設置訓練・点検の実施や定期的な簡易トイレの更新など、適切な管理に努めているところです。また、各防災拠点の活動マニュアルには、ライフラインの被害状況に応じたトイレの使用順位のほか、女性への配慮や感染症防止対策などの具体的な対応手順を明記しております。このように、国のガイドラインが示す項目については、地域防災計画及び防災拠点活動マニュアルの中でおおむね整理できていることから、現時点においては、区として、災害時のトイレの確保・管理計画を策定することは予定しておりません。

次に、防災マップアプリについてであります。

区では、これまで、総合防災訓練や防災講演会での機会や、地域防災フェア開催時の区内全世帯へのチラシの送付等により、防災マップアプリの周知を図るとともに、ダウンロードしやすいよう、街頭消火器や都営地下鉄等の駅構内にステッカーを掲示するなど、その普及啓発に努めてまいりました。しかしながら、災害時に、より多くの区民が適切に情報を入手し、的確に避難行動を取っていただけるよう、本アプリのさらなる普及が必要であると受け止めております。そのため、今後は、これまでの周知方法に加え、各種パンフレットの改訂時に本アプリの活用方法を分かりやすく表示するほか、ステッカーの掲示場所の拡充や、SNSを活用した周知などに取り組んでまいります。

次に、避難所の混雑状況の提供についてであります。

コロナ禍において、避難所の混雑状況をリアルタイムに発信していくことは、感染症拡大防止の上で大切な取組であると認識しております。御指摘の防災マップアプリによる避難所の混雑状況の配信に向けては、システム改修を伴うため、今後、費用対効果を含め、検討してまいりますが、ホームページにおいては、現行システムでも対応可能なことから、避難所の混雑状況を区民の皆様に分かりやすく提供してまいります。

次に、自転車ヘルメットの着用についてであります。

ヘルメットの着用義務について、道路交通法においては、十三歳未満の子供、また、都条例においては、全ての利用者に努力義務が定められております。区では、努力義務化された平成二十年の道交法改正に合わせて、ヘルメットの購入助成を行ったところであります。しかしながら、ヘルメットは、年齢が上がると着用率が下がる傾向にあることから、着用の徹底に当たっては、交通事故は誰でも起こり得るもので、自分のこととして考えられる取組が重要であると認識しております。区といたしましては、スケアード・ストレイト方式による自転車安全教室の計画的な開催をはじめ、あらゆる機会を通じた啓発活動により、着用義務とともに、頭部を守ることがいかに大切か、繰り返し周知を図ってまいります。なお、ペダルなし自転車は遊具であり、自転車と同等に取り扱うことは困難でありますが、安全な使用について啓発を図ってまいります。

次に、小学校における交通安全教育についてであります。

現在、区内四警察署では、毎年、全小学校において、低学年を対象にした歩行訓練や、三年生を対象にした自転車安全教室を行っております。区といたしましては、さらなる啓発を図るため、自転車シミュレーターの活用や、ヘルメット着用の重要性を理解させる交通安全教育が定期的に実施されるよう、区内警察署に要請してまいります。

次に、警視庁ウェブサイトの活用についてであります。

現在、区ホームページでは、自転車安全利用五則などの必要な交通安全情報が閲覧できるよう、警視庁ページへのリンクを設定しております。今後は、子供が交通ルールを学べるサイトにもアクセスできるようにするなど、交通安全情報の周知の徹底に努めてまいります。

次に、道路や公園施設などの通報システムについてであります。

道路や公園は、誰もが使用する生活に欠かせない都市基盤であることから、常に安全で安心して利用できる必要があり、日頃から早期に損傷箇所を発見し、補修を行う体制が不可欠であると考えております。本区では、職員や委託業者による日常点検や定期点検、巡回警備を行うことで損傷等の早期発見に努めるとともに、区民等が発見した場合には、電話などにより通報を受け、速やかに対応しております。今後もこうした体制を維持し、安全・安心な施設利用ができるよう適正管理に努めるとともに、他の自治体の動向を注視しつつ、通報アプリの導入についても検討してまいります。

次に、補助犬についてであります。

盲導犬をはじめとする補助犬は、使用者である視覚や聴覚に障害のある方々にとって、自立と社会参加を促進するための大切なパートナーであります。補助犬に関しては、東京都が所管していることから、区では補助犬使用者の把握は行っておらず、使用する区民の方と直接的に接する機会はございません。事業者等における補助犬の受入れに関し、例えば商業施設や飲食店等にリーフレットやステッカーを配布するなどの普及啓発活動は、基本的には都が行うものと認識しております。区といたしましては、都の取組を踏まえつつ、補助犬の受入れも含め、障害者差別解消の推進を図る観点から、区民や事業者に対し、幅広い視点での障害への理解促進に努めてまいります。

次に、不妊治療と仕事の両立のための職場環境の整備についてであります。

不妊治療と仕事の両立は、少子化対策に加え、人材の確保という観点から、企業にとっても重要な課題であると認識しております。厚生労働省の調査によると、不妊治療と仕事を両立する上での会社等への希望としては、「不妊治療のための休暇制度」、「柔軟な勤務を可能とする制度」等が多くを占め、また行政に望む支援は、「不妊治療への国民・企業の理解を深める」が最も多くなっております。区では、出産・子育てや介護等と仕事との両立に積極的に取り組んでいる企業をワーク・ライフ・バランス推進企業として認定しております。病気治療や不妊治療等に関する休暇制度の状況など、認定企業の取組については、広報紙やホームページ等に掲載し、区民や他の企業への積極的なPRを図っているところであります。また、東京商工会議所等の関係機関と連携し、区民や企業に対して、ワーク・ライフ・バランスに関する様々なテーマでの講演会やセミナーも実施しており、今後さらに、そうした機会を通じて、不妊治療と仕事の両立支援について普及啓発に努めてまいります。

次に、不妊治療を受ける職員への対応についてであります。

不妊治療は事前の予定が立てづらく、一回当たりに要する時間にも幅があることから、職員が治療を受ける際には、理由を問わず、一時間単位での取得が可能な年次有給休暇を活用することになります。また、本人から治療の申出があった場合は、可能な限り人事異動や業務分担上の配慮を行うなどの対応を図っているところであります。不妊治療は、個人のプライバシーに関わる極めてデリケートな問題であり、職場に伝えたくないとする場合も多いと考えられるため、一概にその実態を把握することは難しい現状にあります。こうしたことから、まずは治療を望む職員が気兼ねなく上司や同僚に相談できる職場の雰囲気づくりを進めていくことが大切であると認識しており、今後、ワーク・ライフ・バランスに関する研修等の機会を通じて、不妊治療に対する知識や理解の啓発を図ってまいりたいと考えております。その上で、制度面での環境整備につきましては、国の検討チームにおける議論の動向を注視するとともに、二十三区で情報交換を行うなど、引き続き、新たな休暇制度等の導入に向けた課題について調査を進めてまいります。

次に、子供を産みやすい環境についてであります。

母と子の保健バッグは、母子健康手帳や受診票などを重要な順に収納するとともに、より多くの資料をお渡しできるよう、マチつきのバッグを採用したところであります。今後も引き続き改善に向けた検討を行い、利便性の向上に努めてまいります。また、区では、妊娠週数や子供の月齢に応じたメールサービスを行っているほか、地域での子育て世代をつなぐSNSアプリ、ピアッザや区公式ホームページ内の子育て応援サイト等を通じて、母子の健康に関する情報を提供しております。現時点では、その他の民間事業との連携は考えておりませんが、今後も引き続き、育児支援に関する情報の提供に努めてまいります。

次に、出産費用の助成についてであります。

出産する場所については、妊婦・胎児の状況や分娩方法などを踏まえ、妊婦御本人が医師等と相談し選択するものと認識しております。しかしながら、区内に出産できる病院が聖路加国際病院しかなかったことから、六十万円台後半の分娩費用で利用できる聖路加助産院を選択肢の一つとして区内に誘致いたしました。このような経過から、助産院と一般病院との差額について助成することは難しいものと考えております。今回の新型コロナウイルス感染症の影響により、不安を抱えながら出産を迎える方も多くいらっしゃいます。そのため、区では、新生児誕生祝品として、区内共通買物券二万円分を追加し、五万円分を贈呈することといたしました。産後ケアについては、聖路加助産院にて宿泊型の産後ケア事業を実施しております。また、産後デイケアとしても活用可能な育児支援ヘルパーや一時預かり保育などのサービスも実施しております。今後は、コロナ禍において孤立化や産後鬱などに対応するため、訪問型の一時預かり保育であるベビーシッター利用支援事業についても検討を行ってまいります。

私からの答弁は以上であります。

教育長(平林治樹君)

教育問題についてお答えいたします。

初めに、性教育についてであります。

本区では、学習指導要領に基づき、小学校第四学年で体の発達・発育、中学校第一学年で生殖機能の成熟や性情報への対処・行動の選択、第三学年で性感染症の予防を、発達段階に即して学ばせ、性に関する基本的な知識の定着を図っているところであります。性教育に関わる課題につきましては、性に関する情報の入手が容易になっている環境の中、子供自らが正しい情報を取捨選択し、適切に意思決定や行動を選択できる力を一人一人に育むことであります。そのためにも、学校教育においては、子供たちの心身の成長・発達の実態を正しく理解すること、正しい知識を確実に身につけることが重要であり、集団での指導と個に応じた指導を組み合わせ、効果的に取り組むことが大切であると認識をしております。啓発に当たっては、学校全体で共通理解を図り、保護者の理解を得ながら、関係機関と連携して進めるべきものと考えております。

次に、読書意欲の促進、本を読む子供の意欲をかき立てる工夫についてであります。

区立図書館では、第三次子ども読書活動推進計画に基づき、平成三十年度より、子ども読書手帳を配布しております。これは、図書館や学校で借りた本のほか、自分で購入した本のタイトルや感想などを自由に記入することにより、達成感や読書の思い出が増えるなど、御要望の読書通帳と同様に、読書意欲を喚起するものであると考えております。教育委員会といたしましては、子供たちが本を読むことを通して、豊かな感性や思いやりの心を育み、健やかに成長できるよう、今後も子ども読書活動推進計画に基づき、学校図書館との連携のほか、授業で活用される団体貸出の充実など、さらなる子供たちの読書環境の充実に取り組んでまいります。

答弁は以上であります。

梶谷委員

それぞれ御答弁いただき、ありがとうございました。

内閣府のトイレの確保・管理計画に関するガイドラインは、東日本大震災を教訓に、各自治体に対応を求めるもので、新型コロナウイルス感染症等、新たな感染症対策も踏まえると、このガイドラインに沿った対策を、少しでも近づけた内容で講じていただきたいと思いますので、今後もよろしくお願いいたします。

防災マップアプリについては、災害時、とても有益なアプリだと思いますので、学校から保護者の方にお伝えするなど、また、場合によってはステッカーやパンフレットの全戸配布を検討するなど、区民への周知徹底に努めていただきたいと思います。

自転車のヘルメット着用の義務づけや運転マナーについては、子供たちをはじめ、区民の安全を確保する上で、とても重要な課題です。本区においても、自転車の安全走行のために、ルールの見直し、マナー向上のために積極的な対策を講じていただきますよう、重ねてお願いいたします。

市民通報アプリについては、道路や公園の不具合を区民がスピーディーに通報できるシステムとして、防犯の観点からも、とても有益だと思います。ぜひ、前向きな御検討をお願いいたします。

生殖医療の進歩により、不妊治療への社会のニーズが増しつつある現在、不妊治療を受けやすい職場環境を整備していく上で、行政の後押しは必要不可欠です。本区においても、他の自治体の見本となるような対策を講じていただきますよう、改めてお願いいたします。

母と子の保健バッグについては、バッグを受け取る妊婦、お母さんの立場に立った、活用しやすいものへと改善できるものと確信していますので、ぜひよろしくお願いいたします。

出産費用の助成については、条件から外れてしまい、聖路加助産院で出産できない妊婦に対するフォローを、今後、ぜひさらに検討していただきたいと思います。

子供たちがインターネットなどで性に関する間違った情報に触れたり、情報を間違って解釈した結果、自身の体を傷つけることのないよう、学校で正しい性教育を行っていくことは時代の流れであり、ますます求められます。

十一月二十日には、大学生らが、義務教育で性交について学ぶ機会もない中、心身ともに未熟な未成年を性犯罪から守るためにも、性的同意年齢の引上げは重要だとして、性的同意年齢の十六歳への引上げを求める署名を法務大臣に提出しました。このような動きも踏まえ、本区においても、国際セクシュアリティ教育ガイダンス等の視点を取り入れた、子供たちに役立つ性教育をぜひ行っていただきたいと思いますので、早急にしっかりとした検討をしていただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

子供たちが本に触れる機会が増えるよう、読書通帳についても、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。

今回、私が質問、提案した内容について、少しでも区政に反映していただけるようお願い申し上げます。

以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

(拍手)

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