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議事録records

令和3年 コロナウイルス・防災等対策特別委員会 (2月24日)

理事者報告

1.新型コロナウイルス感染症への対応について(資料1)
2.帰宅困難者一時滞在施設等の現況について(資料2)
3.緊急事態宣言の発令に伴う経済対策について(資料3)
4.新型コロナウイルス感染症ワクチン接種について(資料4)
5.中央区耐震改修促進計画の改定について(資料5)

議事録

梶谷委員

2月13日午後11時8分発生の福島県沖地震はマグニチュード7.3、震度6強、ここ中央区も震度4の大きな揺れを感じました。この地震は東日本大震災の余震と言われていますが、私たち中央区も首都直下地震にリアリティを持って対策を講じておかなければならないと強く感じさせるものでした。

資料5、中央区耐震改修促進計画の改定についての20ページ、資料8によれば、中央区が想定する首都直下地震における被害想定はマグニチュード7.3、震度6強、一部震度7となっています。被害予測では、ゆれ・液状化建物被害により亡くなられる方が150名前後とカウントされています。東京都都市整備局の液状化による建物被害に備えるための手引では、被害を軽減するためには、あらかじめ対策を講じておくことが重要とし、建築物への対策の工法等を提示しています。既存の建物の場合、建物の地下にくいを打ち込むことで建物の安全性をある程度確保できるようですが、工期に1週間から3週間、500万円から800万円の費用がかかり、個人で対応することは現実的には困難です。行政として、区民の命を守るために、可能な限り対処していかなければならないと思います。

東京都の東京の液状化予測図では、液状化の可能性のある地域について示されていますが、対象となる地域について、中央区として、今後、どのような対策を講じていく予定なのか教えていただきたいと思います。

芳賀建築課長

それでは、液状化の可能性のある地域への今後の対応についてお答えさせていただきます。

東京の液状化予測図によりますと、本区の大部分が液状化の可能性のある地域とされております。こうした状況ではありますが、東日本大震災及びその余震とされている先日の2月13日の地震においても、液状化による建築物の被害の発生はありませんでした。本区の建築物の多くは中高層建築物であり、くいを支持地盤まで打ち込む基礎工法のため、今後、揺れの大きな地震が発生した際にも、液状化による大きな被害は生じないかと考えてございます。しかしながら、くいを打ち込まない工法で建築されております低層の建築物ですとか、戸建ての住宅においては、今後、液状化による建築被害等が生じる可能性は否定はできません。

被害を極力少なくするための今後の対策でございますけれども、区が直接広域的に液状化の防止対策を講じることは困難でございますが、建築確認申請を行う際に、地盤調査において建築敷地内の液状化についての考察を行い、その地盤に適した基礎工法を選定することが義務づけられております。選定された工法が適切かどうかの審査も今までどおり同様にきちんと行ってまいりたいと考えてございます。また、建築計画を行う際には、適切な基礎形状の選定を行うとともに、状況によっては地盤改良を行うなど、必要な措置を講じるものと、既存の建築物におきましても、液状化対策が技術的に可能であっても、当該建築物の構造ですとか、老朽度ですとか、及び周囲の状況などにより、選定される工法も様々でございます。こちらにつきましては、専門性の高い知識が必要となりますので、区民の皆様で疑問や御不安な点がございましたら、遠慮なく区に御相談いただければと思います。現地を確認させていただき、建築物の状況に応じた丁寧な説明やアドバイスなどを行ってまいります。

以上でございます。

梶谷委員

本区の建築物の多くは液状化による大きな被害は生じないと思いますが、地域によっては、昔ながらの木造住宅も多く残っております。今後、液状化による建築被害が生じる可能性が否定できない以上、液状化建物被害を防ぐために、行政としても可能な限り手段を講じていくべきだと思いますので、積極的な対応をお願いいたします。

帰宅困難者について、理事者報告資料5の資料8での中央区が想定する首都直下地震における被害想定では、30万9,315人の想定に対し、理事者報告資料2の帰宅困難者一時滞在施設等の現況についてでは、令和3年1月現在、区が確保した帰宅困難者一時滞在施設等は、屋内1万5,993人、屋外1万9,915人分の想定数の10%程度となっています。企業ごとの対応はあると思いますが、30万人を超える帰宅困難者の一時滞在施設等の確保について、感染症対策も含めて、区としての今後の取組について御見解を教えてください。

岡田防災課長

帰宅困難者対策についてでございます。

まず、一時滞在施設の受入れにつきましては、帰宅困難者が約30万人ということで想定は出ているところでございますが、区といたしましては、買物客ですとか、地下鉄利用者、そういった身の寄せどころがない来街者の方々を6万人と予想しておりまして、そういった方たちの受入れということを前提に考えているところでございます。

一時滞在施設の確保につきましては、これまでも、引き続きになりますが、まちづくり基本条例の開発協議におきまして要請していくということが1点と、また、地区計画の変更に伴いまして、容積率の緩和を受けますホテル等に対しましても、こちらは市街地開発事業指導要綱になりますが、そちらに基づく協議におきまして、そういった協力の依頼などをしていきたいというふうに考えているところでございます。

一方で、区内事業者に対してですけれども、こちらにつきましては、従業員等が帰宅困難にならないようにということで、一斉帰宅の抑制につきまして、事業所のアドバイザーの派遣ですとか、防災パンフレット、防災講演会等々といった事業を通じながら、そういった普及啓発をこれからもより一層行っていきたいというふうに考えているところでございます。

一時滞在施設の感染症対策でございますけれども、東京都のほうで、都立施設の一時滞在施設につきまして感染症対策のガイドラインといいますか、留意事項を作成しているということが1点と、区のほうでも避難所におけます感染症対策の基本マニュアルを作っておりますので、そういったものをベースといいますか、参考にしながら、現在、一時滞在施設の受入れに伴いますマニュアルの作成を進めているところでございまして、こちらは帰宅困難者の支援施設の協議会に今後報告して、各会員の皆様に周知を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

以上でございます。

梶谷委員

感染症対策について、民間一時滞在施設の感染症対策マニュアルを現在作成中ということで理解いたしました。いつ災害が起こるか分かりませんので、早期に完成させて、周知を図っていただきたいと思います。

東京都のプレスリリースによると、東京都は、昨年6月26日付で、新型コロナウイルス感染症拡大防止等の観点から、避難所における3密を避ける等の対策として、可能な限り多くの避難所を確保するために、区市町村におけるホテル、旅館等の活用を支援する協定等をホテル等団体と締結しました。コロナ禍において、在宅避難ができない基礎疾患を持つ高齢者の方々にとって、避難所の密な環境はリスクがあります。妊婦や乳児を抱える方々も同様です。本区においても、ホテル等の理解を得て、早急に避難所としてのホテル等を活用できる体制を整備しておくことが重要だと思います。

昨年の一般質問の際に、観光庁が行った調査で、中央区では、避難所としての施設活用に協力する意向を示したホテルはあったのかを確認させていただきました。国からの情報提供を受けて区としての対応を検討しているとのことで、その後、本委員会で再度進捗状況について確認をさせていただいております。そして、現在、災害避難所としてのホテル等の活用について、ホテル等との協議はどの程度進んでいるのでしょうか。進捗状況を教えてください。

岡田防災課長

ホテルとの協定の件でございます。

こちらは、国の通知が来て以降、これまでの間、その通知に基づきまして、リストに掲載されておりますホテル全てに連絡を取りまして、そのうち、実際に協力をする意向をお示しいただいたホテルにつきましては、現在、具体的な条件面、例えばどういった方を受け入れるとか、1泊の金額とか、そういったところの条件面を含めまして、最終的に調整しているところでございます。今後、協議が調い次第、順次、ホテルとの協定締結を行っていくというふうに考えております。

以上でございます。

梶谷委員

調整協議が現在進行中ということで理解いたしました。企業やホテルともしっかりと連携をして、避難所の感染症対策、そして帰宅困難者の一時滞在施設の確保について、さらに十分に備えていただきたいと思います。

次に、中央区観光協会オフィシャルブログによれば、中央区には、京橋地区に7基、日本橋地区に6基、月島地区5基で合計18基の歩道橋があります。国土交通省の立体横断施設技術基準に基づいて設置されているものと思いますが、いずれも老朽化が目立ちます。首都直下地震に備え、歩道橋の安全性の確認、検証等は行われているのでしょうか、教えてください。

望月環境土木部長

まず、安全性の確認でございますが、平成26年に道路法が改正されておりまして、5年に1回の点検を行うことが定められており、それによりまして安全性の確認を行っているところでございます。また、耐震性の向上については、区道上の歩道橋につきましては、落橋防止装置等の耐震性の向上を必要な橋で完了しているところでございます。また、国や都においても同様に進められているというふうに聞いてございます。

また、老朽化ということでございますが、各管理者が定期的に塗装等、塗替えなどを行っている状況でございます。本区におきましても、健全度調査の結果などによりまして長寿命化を図るべく適切に補修をし、維持管理をしてまいりたいと考えてございます。

以上です。

梶谷委員

区道上の歩道橋の耐震性の向上は完了していて、適切に維持管理しているということで安心いたしました。歩道橋の中には子供たちが通学に利用する歩道橋もあり、歩道橋の安全の確保は決してないがしろにできない重要な課題だと思います。引き続き、十分な安全の確保に努めていただきたいと思います。

首都直下地震によって大きな橋梁が被害を受け、通行不可能となった場合、緊急輸送道路が機能不全に陥る可能性があると思います。勝鬨橋、佃大橋、中央大橋など、区内の大きな橋梁が通行できなくなった場合の想定はなされているのでしょうか、教えてください。

岡田防災課長

橋梁についてでございます。

区が管理する橋梁のうち、構造上、耐震性能の向上が必要な橋梁の整備につきましては、新島橋の架け替えにより全て完了いたしまして、国や都が管理する橋梁も、耐震性能の向上が必要な橋梁の整備は完了しているというふうには聞いております。しかしながら、万一橋梁が被害を受けて通行不能となった場合につきましては、関係機関等としっかり連携をしながら、迅速に区内の被害状況の把握に努めまして、そのときの状況に合わせまして、通行可能な道路を使用するなどしまして、それで迂回するなどというような形を取りまして対応してまいりたいというふうに考えております。

以上でございます。

梶谷委員

災害には十分な備えが必要だと思います。区民の命を守るために、様々なシミュレーションの下、対策を講じていかなければならないと思います。道路などの交通インフラだけでなく、上下水道、電気、ガスなど、ほかの公共インフラについても、行政として最大限の確認を怠らず、災害時における区民及び本区で働く人々の生活と活動、安心・安全の確保にさらに努めていただきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

以上で終わります。

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