かじがや優香オフィシャルサイト

議事録records

令和3年 第四回中央区議会定例会 (11月22日)

議事録

梶谷委員

立憲民主党新風会の梶谷優香です。令和三年第四回中央区議会定例会に当たり、通告書に従い、質問をさせていただきます。なお、再質問をあらかじめ留保いたします。

初めに、災害・防災対策についてお伺いします。

先月、十月七日の夜遅く、千葉県北西部を震源とする地震があり、東京都足立区や埼玉県川口市などで震度五強の強い揺れを観測しました。東京二十三区で震度五強の揺れを観測したのは十年前に発生した東日本大震災以来であり、久しぶりの大きな揺れに驚かれた方も多かったと思います。その週末のホームセンターでは、災害対策コーナーに多くの人が訪れておりました。改めて、日頃の自助としての備えに対して考える機会になったと思います。

東日本大震災から十年が経過したことを踏まえ、茨城県日立市では、地震のほか、全国的に大規模な豪雨災害なども増えていることから、市民の防災意識を改めて高めることを狙い、市内全世帯に災害時の非常持ち出し袋を配布することにしました。リュックサックの持ち出し袋とラジオつき多機能ライト、診察券やお薬手帳などをまとめて収納できるポーチ、避難所などで寝る際に役立つ空気で膨らませる枕をセットにし、災害時の対応や情報手段の紹介、持ち出し品のリストなどを記載したチラシを同封しています。リュックサックの容量は二十リットルで、一人一日分の水三リットルや食料などが入る大きさとのことです。日立市の場合、一セットは約二千四百円、八万五千セットを用意するそうです。

本区では、防災対策の充実の一環として、防災用品のあっせん事業を行っております。ぜひ、いま一度防災対策に力を入れる機会として、このような取組を検討されてはいかがでしょうか。本区は、十一月一日時点で九万六千六百五十四世帯です。日立市同様、全世帯配布が望ましいと考えますが、まずはひとり暮らしの高齢者の方、防災フェアに参加した区民への配布など、あっせんだけではなく、さらに一歩踏み込んだ取組を検討すべきだと思いますが、区の御見解を教えてください。

先ほどもお話ししましたが、本区では、防災対策の充実の一環として、防災用品のあっせん事業を行っております。しかし、我が家のように乳幼児のいる家庭にとっては、本区のあっせんグッズの中に乳幼児向けはキッズ用のヘルメットしかありません。ぜひ、未就学児も使用できる乳幼児用防災頭巾、消毒済みの使い切り哺乳ボトル、災害食用の長期保存できる赤ちゃん向けのおやつ、そして、おかゆも追加していただきたいと思います。おかゆに関しては、乳児のみならず、高齢者の方にも喜ばれるのではないでしょうか。ゼロ歳から四歳までの人口が総人口の五・四%である本区において、乳幼児に必要な防災用品をあっせんするべきと思いますが、区の御見解を教えてください。

東京都作成の妊産婦・乳幼児を守る災害対策ガイドラインでは、自治体が支援に当たる際の留意点等を示し、妊産婦や乳幼児の保護者の方々が災害に備える際に役立てていただけるよう、注意点などが示されています。杉並区や世田谷区などでは、区独自に、妊産婦・乳幼児のための災害への備えに関するリーフレットを作成しており、きめ細かな注意点、事前の準備、避難所マップなどを分かりやすく説明しています。乳幼児並びに妊産婦を災害から守るために、本区においても、妊産婦・乳幼児のための災害への備えリーフレットを作成すべきだと思いますが、準備状況も含めて、本区の取組状況、そして区の御見解を教えてください。

次に、安全・安心、魅力あるまちづくりについてお伺いします。

以前、おんぶやだっこによる自転車走行の危険性について質問させていただき、その後、児童館や子ども家庭支援センターなどに子供を自転車に乗せるときのルールとマナーについての警視庁の啓発パンフレットを配置していただきました。忙しいママたちがおんぶやだっこひもで自転車走行をされるケースは、現在も多々見受けられますが、大変危険な走行です。そして、先日も世田谷区において、自転車とトラックが接触し、だっこひもでだっこをしていた八か月の乳児が亡くなるという痛ましい事故が発生しました。警視庁のホームページによれば、十六歳以上の者は、前後に設置した幼児用座席あるいはおんぶ以外に、子供を同乗させることはできません。だっこひもで子供をだっこし、自転車走行をすることは、ルールに違反し、極めて危険な行為です。

そこで、だっこひもによる自転車走行の危険性の啓発のために、広報紙、区のおしらせちゅうおうをはじめ、様々な広報媒体での注意喚起の掲載を御検討いただけないでしょうか。さらに、三・四か月健診時などの機会を捉えて、より一層の啓発を行うべきと考えますが、区の御見解を教えてください。

全国でデザインマンホール蓋が注目されており、デザインマンホール蓋をめぐる観光振興が話題を集めています。東京都では、令和元年度より、都内の市区町村と連携し、アニメ、漫画、御当地キャラクター等を活用したデザインマンホール蓋設置・活用等推進事業を実施しており、すてきなマンホールがたくさん誕生しております。例えば、千代田区では鉄腕アトム、世田谷区ではウルトラマン、杉並区では高円寺阿波踊り、北区では田端に作家、田河水泡が居住した御縁から、作家の人気漫画「のらくろ」をモチーフにしたデザインマンホールを設置しています。制作会社の所在地や作品の舞台、作者ゆかりの地など、蓋を制作した自治体とのつながりも様々で、表現の仕方にも違いがあり、どれも魅力的な御当地マンホールとして、当該地域の観光振興の一助となっているようです。

本区におけるデザインマンホールの設置状況について教えていただきたいと思います。本区は、二○二二年、区制施行七十五年を迎えます。江戸時代から脈々と続く伝統と文化と今も共存する本区として、七福神巡りのようにデザインマンホール巡りなど、観光の観点からもデザインマンホールの設置について、区の御見解を教えてください。

次に、高齢者福祉の充実についてお伺いします。

近年、eスポーツという言葉を耳にすることが多くなりました。二○一五年に設立された一般社団法人日本eスポーツ連合のホームページによれば、eスポーツとは、エレクトロニック・スポーツの略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称ということです。市場規模も、二○二二年には三千億円とも言われており、世界規模で盛り上がりを見せています。日本でも都道府県対抗戦が行われるようになり、近年は競技人口が四百万人に達する勢いで伸びていますが、依存症、筋力低下、視力低下などの懸念もあり、eスポーツとうまく付き合っていくことが求められています。

そんな中、社会性の高まりや認知症予防の新しい一手として、高齢者へのeスポーツの普及が注目されています。国立長寿医療研究センターなどの研究チームは、社会とのつながりのある高齢者ほど、認知症を発症するリスクが少なく、認知症発症リスクを四割低下するとの研究結果もあります。熊本県美里町では、熊本eスポーツ協会と共同で高齢者の認知症予防を目的とした事業を実施しています。この事業は、高齢者サロンなどでeスポーツの指導に当たり、高齢者と子供の世代間交流を図るというもので、参加した高齢者の約八割に注意力などの改善が見られたことが判明しました。さらに、七十七歳女性の脳の働きを検証したところ、脳の活性化が見られたことも分かっています。こうした結果を受けて、美里町では、さらなる事業の拡大を検討しています。

兵庫県神戸市では、NTT西日本などと連携して、ウィズコロナ時代におけるeスポーツによる地域課題解決に向けた連携協定を結びました。その一環として、地域におけるコミュニケーションの活性化と健康増進を目指した高齢者向けeスポーツの実証事業を開始しました。この事業では、目的として、高齢者のフレイル予防を打ち出し、市内のシニア向けサービス事業者を対象として、eスポーツ体験を広めていく方針で、将来的には、eスポーツを活用した新しいコミュニケーションのためのツール開発まで視野に入れています。

これまでも、高齢者に向けた認知症予防のプログラムは一部の自治体で実施されており、様々な取組を行っております。一般社団法人日本eスポーツ連合は中央区日本橋茅場町が所在地となっており、本区とゆかりもあります。今後、eスポーツを高齢者の認知症予防の一環として取り入れる予定はありますでしょうか。依存症、筋力低下、視力低下などの懸念への対応も含めて、区の御見解を教えてください。

次に、妊娠・出産から子育て環境の充実についてお伺いします。

男性の育児休業取得を当たり前にしたいと、佐賀県は先月から、男性職員に二週間以上の育休取得を促す取組、ハッピー・ツー・ウィークスを始めました。育休を取得しなかった男性職員には不取得理由書の提出を求めるなど、逆転の発想で育休取得の意識づけを図るものです。昨年四月から六月に子供が生まれた男性の国家公務員のうち、ほぼ全員に当たる九九%が育児休暇・休業を取得したとのニュースもありました。本区の男性職員の育休の取得率は、どの程度となっているのでしょうか。社会全体に男性の育休がさらに拡大するように、本区として、今後、どのような取組を進めていく予定があるのか、過去の取組の成果も含め、教えていただきたいと思います。

また、人事院は、国家公務員が不妊治療のために年間最長で十日間の有給休暇を取得できる制度を二○二二年一月に創設する予定です。民間でも導入の少ない不妊治療の休暇制度に国が率先して取り組み、社会全体に広げる狙いがあります。それに先駆け、栃木市では、市職員の不妊治療休暇のための特別休暇、コウノトリ休暇を創設し、不妊治療と仕事が両立できる職場環境の整備、推進などが目的で、組織全体の活性化を目指しています。治療と仕事の両立を支援するために、民間企業でも独自の不妊治療休暇を設ける企業が徐々に増えてきています。また、政府も、不妊治療のために利用可能な休暇制度などを利用させた中小企業事業主を支援する助成金制度も実施し、さらに、今年四月には、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定指針に盛り込むことが望ましい事項として、不妊治療の休暇制度など、不妊治療に配慮した措置の実施が入りました。

不妊治療休暇には、実際に不妊治療を行う人にとっては様々な悩みがあります。公益財団法人1more Baby応援団の夫婦の出産意識調査二○二一によると、最も多いのは、「勤務先での不妊治療に対する上司、同僚などの理解(風土)」五八・○%、次いで「不妊治療として申請せずとも有給休暇をいつでも誰でも取得できる風土」五二・九%となっております。子供を欲しいと思う当事者にとっては、不妊治療は切実な問題でありますが、職場には不妊治療に関する知識がない人や先入観や偏見を持っている人もいるかもしれません。休暇制度があっても、知識不足や偏見に満ちた職場の雰囲気が改善されなければ、申請する人は増えないと思います。本区において、来年、国において創設予定の不妊治療休暇について、区の人事政策上の御見解を教えてください。

不妊治療をすることを第三者に知られることを嫌がる人もおり、制度を創設しても、従来の有給休暇を使う人も多いと思います。人事院が一般職の国家公務員四万七千三百六十九人を対象に実施した不妊治療と仕事の両立に関するアンケート調査によると、不妊治療の経験がある人、不妊治療を検討している人のうち「積極的に伝えたい/知ってほしい」人は五・二%と少ないですが、「誰にも伝えたくない」人が三一・四%いる一方、「仕事上、必要最小限の関係者に伝えることは構わない」人が五四・一%となっています。人事院の担当者によると、今回の国家公務員の不妊治療休暇の新設には、仕事との両立が難しい原因として、通院回数が多いこともあり、何らかの休暇的措置が必要になる、休暇を申請すると上司や周りの職員に伝えざるを得ないが、必要最小限の関係者に伝えることは構わないとの回答が多かったことも理由の一つになっているそうです。

これらを踏まえ、不妊治療の有給休暇をいつでも誰でも取得できる風土づくりが重要と考えますが、区の御見解を教えてください。

東京都では、平成二十八年十月より、子育てを応援しようとする社会的機運の醸成を目的として、企業・店舗等が子育て世帯や妊娠中の方がいる世帯に対して様々なサービスを提供する仕組み、子育て応援とうきょうパスポート事業を行っております。都内では、北区や新宿区等の自治体で独自に子育て支援パスポート事業を実施しており、子育て世帯への経済的負担の軽減や、地域の商店と顔なじみになることによる地域での子育て支援の促進を目的としています。現在、十一月一日時点での子育て応援とうきょうパスポート事業の区内登録店舗は百三十八店舗となっております。区内事業者を支援するためにも、子育て応援とうきょうパスポート事業の促進に力を入れていただきたいと思います。

現在、この子育て応援とうきょうパスポート事業は都の事業であることは承知しておりますが、区が店舗へ積極的に事業紹介をするなど、さらなる普及啓発に取り組んでいかれる御予定はありますでしょうか。加えて、北区や新宿区のように、中央区独自の子育て支援パスポート事業を実施することも地域活性化につながると思いますが、ハッピー買物券や新生児誕生祝品の買物券の登録店舗とひもづけてみてはいかがでしょうか。区の御見解を教えてください。

次に、教育環境の充実、学習活動の推進についてお伺いします。

本区が実施している、赤ちゃん向けの絵本一冊が入ったブックスタートセットを無料で配布する、親と子のふれあいブックスタートは、まさに子育て当事者の私といたしましても、とてもすばらしい事業だと思っております。コロナ禍によって、現在は日本橋図書館のみの開催となり、京橋図書館、月島図書館ではブックスタートおはなし会が休止されていることはとても残念です。現在、三・四か月健診の通知に、親と子のふれあいブックスタートの引換券が同封されていますが、引換率はどのくらいなのか教えてください。

現在の平日をはじめ、土日などの休日にもブックスタートおはなし会をぜひ多く開催してほしいと思います。読書活動推進のための具体的な取組にも、読み聞かせの機会を増やす様々な事業がたくさんあります。ママだけでなく、パパにも参加しやすい取組になってほしいと思います。利便性も含めて、事業の工夫を行っていかなくてはいけません。今後、本の森ちゅうおうの開設も踏まえて、どのように事業の充実を図っていくのか教えてください。

本区では、乳幼児から中学生を対象に、自分が読んだ本のタイトルや感想などを記入することができる子ども読書手帳を配布しており、目に見える形で読んだ本の数と読書の思い出が増えるなど、楽しみながら読書意欲の向上を図っております。現在は、ホームページでダウンロードもでき、気軽にスタートできる一方、子供の意欲をかき立てるにはもう少し工夫が必要ではないかと思います。

以前にも質問で取り上げさせていただきましたが、子供たちの読書意欲を高めるために、読書通帳の活用は大変有効だと思います。本区新川に本社がある内田洋行の登録商標である読書通帳は、子供たちに心が弾む体験を提供するために、かわいらしい画面と、ワンタッチ操作の分かりやすいタッチパネル方式となっています。通帳デザインも、各地域、バラエティに富み、様々です。ぜひ、新規開設予定の本の森ちゅうおうには設置していただきたいと思っております。さらに、既存施設の区立図書館や小学校の図書室にも設置していただきたいと思います。

子供たちが読書に興味・関心を持ち、さらなる読書活動が推進されるよう、タッチパネル式の読書通帳導入をはじめ、様々な工夫を施し、本の森ちゅうおうにおいて子供たちが楽しく読書できる環境を整備するべきと考えますが、区の御見解を教えてください。

以上で第一回目の質問を終わります。

区長(山本泰人君)

梶谷優香議員の御質問に順次お答えいたします。

初めに、非常用持ち出し袋の配布についてであります。

本区では、全世帯の約九割が共同住宅に居住している特性を踏まえ、災害時においても在宅避難ができるよう、家具類転倒防止対策や家庭内備蓄について積極的に普及啓発を図っているところであります。一方、非常用持ち出し袋につきましては、災害時に自宅が被災し、避難する場合に必要でありますが、世帯構成や年齢、持病の有無など個々の状況に応じ、各家庭において必要最小限の備蓄品や貴重品等を準備することが肝要であります。したがいまして、在宅であろうと、避難であろうと、災害への備えにおいて何が重要かをホームページや防災パンフレット等に分かりやすく掲載していくほか、防災講演会などの機会を通じて、引き続き防災意識を高めるための取組を進めてまいります。

次に、乳幼児向けの防災用品のあっせんについてであります。

防災用品のあっせんにつきましては、障害者支援の一環として、社会福祉法人との協定に基づき実施しており、現在は区民及び区内事業者に対し、防災意識の高揚や防災行動力の向上を図るため、家具類転倒防止器具や簡易トイレのほか、長期保存が可能な食料や飲料水などを中心に取り扱っております。あっせん事業の充実は自助の強化につながることから、今後、社会福祉法人が取り扱う乳幼児向け防災用品もあっせん品目に追加することを検討してまいります。

次に、妊産婦・乳幼児のための災害への備えリーフレットの作成についてであります。

妊産婦や乳幼児のいる世帯を対象とした災害への備えにつきましては、各家庭の状況に応じた備蓄をはじめ、緊急連絡先や連絡方法の確認などが重要であると認識しております。そのため、区では、本年三月の子育てガイドブックの改訂に伴い、新たに子供を守るための防災対策について掲載したところであります。さらに、今年度改訂する防災パンフレットには、各家庭の状況に合わせた自助の取組に関する内容を充実させ、災害への備えについての普及啓発を図ってまいります。

次に、だっこひもでの自転車走行についてであります。

幼児をだっこした状態での自転車運転は、安全な視界の確保やハンドル操作に影響が出ることから、道路交通法や東京都道路交通規則により禁止されております。区では、これまでも子供をだっこした状態での自転車走行の危険性について、ホームページでの周知を行ってまいりました。今後は、区のおしらせをはじめ、テレビ広報などの媒体を通じて、さらなる注意喚起を図ってまいります。また、自転車利用には、ヘルメットの着用や自転車保険の加入など、様々なルールがあることから、乳幼児健診などの機会を捉えた啓発についても検討してまいります。今後も、関係機関との連携を一層強化して、自転車の安全利用について積極的に啓発活動に取り組んでまいります。

次に、デザインマンホール蓋についてであります。

現在、本区内に御指摘のデザインマンホール蓋は設置されておりませんが、東京都が区市町村と連携して、観光客の誘致等のために、その設置を進めていることは承知しております。また、その一環として、現在、都では、デザインマンホールと周辺観光地を巡るデザインマンホールデジタルラリーという事業を行っております。区内への設置に関しましては、本区にふさわしいテーマ、デザインや周辺との景観の調和を含めた設置場所の選定などの課題があるものと考えております。一方で、区内観光の一層の推進を図っていく観点から、今回、都が実施している事業の効果や、現に設置している他区の意見などを確認するとともに、観光協会とも連携し、検討してまいりたいと考えております。

次に、シニアeスポーツについてであります。

eスポーツについては、他区の敬老館等において取り入れられており、健康維持やコミュニケーションのツールとして人気が高まっているものと認識しております。一方で、オンラインゲームの過剰な実施による影響については、ゲーム障害という依存症につながる可能性があることから、国において、今後、実態調査を進め、対策を検討することとなっております。区といたしましては、そうした状況を踏まえ、実施については慎重に検討する必要があるものと認識しております。

次に、男性の育児休業についてであります。

令和二年度における本区男性職員の育児関係休暇の取得率は、国の算出方法とは異なりますが、育児休業が五○%、出産支援休暇及び育児参加休暇がいずれも七五%となっております。男性の育児休業取得率を向上させていくためには、経営者や従業員の意識改革を図り、男性が育児休業を取得して当たり前と思える企業風土をつくることが大切です。区では、事業主や人事労務担当者などを対象とした男女共同参画セミナーやワーク・ライフ・バランスセミナー、子育て世代の父親を対象としたイクメン講座などの実施、男女共同参画ニュース「ブーケ」の発行などを通して、男性の子育てへの関わり方や育児休業取得に対する意識啓発、情報提供を行っております。また、男女ともに働きやすい職場づくりを進めるワーク・ライフ・バランス推進企業認定制度においても、審査の過程で育児と仕事との両立を支援する取組の促進を働きかけております。今後も、こうした意識啓発や官民一体となった機運醸成の取組を通じ、男性の育児休業取得率のさらなる向上につなげてまいります。

次に、不妊治療のための休暇制度についてであります。

本年十月二十日に出された職員の給与等に関する報告及び勧告において、特別区人事委員会は、任命権者に対し、不妊治療と仕事との両立に向けた検討を求めたところであります。区といたしましても、不妊治療を受けやすい職場環境の整備は、本区特定事業主行動計画で目標に掲げる仕事と出産・子育ての両立に寄与するものと認識しております。制度の導入に当たっては、給与面での取扱いなど、二十三区で統一すべき事項も含まれていることから、その内容を踏まえながら、本区での導入に向けた検討を進めてまいります。休暇制度が有効に活用されるためには、全ての職員が、その趣旨と内容を正しく理解した上で、気兼ねなく休暇を取得できる環境を整えていくことが重要であります。そのため、休暇制度に関するリーフレット等を活用した情報発信により職員の意識啓発を図るとともに、休暇での不在時を互いにカバーし合う体制を工夫するなど、職場全体で出産・子育てを支援する雰囲気づくりを進めてまいります。

次に、子育て支援パスポート事業についてであります。

区では、東京都が実施する子育て応援とうきょうパスポート事業について、これまで区のおしらせに掲載するとともに、区庁舎や保健所、子ども家庭支援センター等の窓口などでリーフレット等の配布をしてまいりました。今後は、子育て世帯へのさらなる利用促進と区内事業者の協賛事業者への登録の推進を図るため、ホームページ等も活用した普及啓発に取り組んでまいります。また、区内には特色のある商店街が数多くあることから、ハッピー買物券等の取扱店に限らず、商店街に事業の目的を説明し参加を促すことで、子育て世帯と地域のつながりを深めてまいります。

私からの答弁は以上であります。

教育長(平林治樹君)

教育問題についてお答えいたします。

初めに、親と子のふれあいブックスタートについてであります。

本事業は、平成三十年度から実施しており、三から四か月児健診の通知に絵本との引換券を同封し、その引換率については、おおむね六○%程度で推移をしております。乳幼児期からの読書活動は、赤ちゃんと保護者が絵本の読み聞かせを通して心触れ合う楽しいひとときを分かち合うとともに、将来にわたって読書好きになるきっかけとなることから、重要であると考えております。今後、各図書館において、ブックスタートおはなし会を週末の時間帯で開催するなど、親子がそろって参加できる機会の充実に努めてまいります。

次に、子供たちが楽しく読書できる環境づくりについてであります。

御提案の読書通帳機につきましては、今後の利用者ニーズや他自治体の状況を踏まえる必要がありますが、導入のためには現行の図書館システムの改修が必要であることから、現状では課題があると考えております。子供たちの読書意欲の向上を図ることは大変重要であることから、教育委員会といたしましても、これまで絵本講演会や読み聞かせのほか、図書館員体験など、様々な子供向けの図書館事業を行ってきたところであります。来年開設予定の本の森ちゅうおうにおいては、子供たちが繰り返し来館したくなる工夫として、児童エリアや書籍の充実のほか、小・中学生に向けた講演会やビブリオバトルを開催するなど、子供たちが読書に興味・関心が持てる環境の整備に引き続き取り組んでまいります。

答弁は以上であります。

梶谷委員

それぞれ御答弁いただき、ありがとうございました。

中央区の区政世論調査では、家庭での災害に対する備えの問いに対し、「飲料水の備蓄」は七割を超え、「食料の備蓄」も六割を超えるなど、前年よりも増加しており、意識の高さがうかがえます。しかし、「町会・自治会などの地域の防災訓練への参加」が一一・三%、「避難方法、避難場所の確認」が三八・三%と、前年より増加しているものの、いまだ低い数字となっております。「家庭での連絡方法などの話し合い」においても二七・二%と低く、いざというときに混乱する可能性が高いと思います。

先ほど紹介した日立市の非常用持ち出し袋の全戸配布について、担当の課は持ち出し袋をきっかけに、家族で避難場所や連絡手段を話し合うなど、日頃の備えを改めて確認してほしいとのことでした。きっかけづくりという仕掛けにも大変有効だと思いますので、今後、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。

乳幼児向け防災用品のあっせんや妊産婦・乳幼児のための災害への備えリーフレットについても、日頃の備えの一つです。妊産婦にとっては、一般的な災害時の防災対策の準備は既にしていても、妊娠・出産・産褥の状態では、さらに別の準備が必要です。乳幼児がいる家庭も同様です。乳幼児は、成長によって持ち出し袋の中身を定期的に入れ替える必要もあり、定期的な呼びかけが必要だと思いますので、今後も見直すきっかけづくりをよろしくお願いいたします。

だっこひもでの自転車走行については、より一層の啓発が必要です。ヘルメット着用についても、以前から啓発のお願いをしておりますが、子供を自転車に乗せる場合、気をつけて走るのはもちろんですが、自転車を止めたときにも転倒する事故が多く発生しており、注意が必要です。いま一度、区民の皆様に安全な自転車生活を送っていただけるよう、さらなる啓発をよろしくお願いいたします。

デザインマンホール蓋は、都に確認したところ、初年度は都のほうから各自治体に通達をしたとのことですが、今後は各自治体の手挙げになります。ぜひ、中央区の観光振興の一助として前向きに御検討していただきたいと思います。最近では、観光名所などをモチーフにした御当地カプセル玩具、通称ガチャガチャが流行するなど、新たな観光アピールができれば、地域の大切な資源、地域活性化に生かすことができると思いますので、前向きな取組をよろしくお願いいたします。

兵庫県神戸市では、六十歳以上限定のシニア専用のeスポーツ施設が誕生し、秋田県では、全国初のシニアチームが結成されるなど、全国で大きな広がりを見せております。ゲームそのものによる脳の活性化と社会との関わりから得られる刺激という二重の認知症予防効果があるeスポーツですが、高齢者世代における認知度はまだまだ低いのが現状と言えます。内容を知らない人が全体の七割近くいるのが現状で、今後、eスポーツがシニア層に普及していくには、ゲーム障害などにも考慮しつつ、周知活動を行っていく必要があると思います。周知活動も含め、高齢者フレイル予防の選択肢の一つとして御検討いただければと思います。

今年六月に改正法が成立した育児・介護休業法は、男性の育休取得に関する制度が大幅に充実し、これまで育休取得が伸びなかった男性社員への支援が充実することは、社会的には喜ばしい一方で、企業へ与える影響も少なくなく、経営者や人事には十分な対応への準備と覚悟が求められると思います。男性育休白書二○二一によると、男性の育休取得率は一二・二%と、二○一九年の調査より増加した一方、取得日数は「一週間以内」が取得者の五六・五%、「一か月以上」は取得者の僅か一八・一%となっており、取得日数については、まだまだ十分とは言い難いのが現状です。たとえ数日であっても、まずは育休を取得する文化をつくることが、男性の育児参加が進むための大切なステップという意見もありますが、取得率の向上自体が目的化し、数日だけでもとにかく取得を促すといったことも起きかねません。男性育休の目的は何かをしっかり定め、その上で、取得率だけでなく、その実態や中身、質に目を向けていくことが大事だと思います。

不妊治療休暇では、まず、職場で不妊治療に対する理解を深めなければなりません。治療を受ける人、仕事を共にする同僚、上司、経営層、全ての人が対象です。子供を望む思い、通常どおり業務ができない可能性があること、それをどのようにカバーするとよいか、全ての人ができるだけ公平かつ納得がいく形で仕事を続けていける方法を見つけていく必要があります。そして、治療を受けると決めた職員のプライバシーに配慮することも欠かせません。不妊治療は、以前と比べて一般的になってきたものの、個人の価値観が大きく関わる事柄です。直属の上司などは、業務量に配慮する必要があり、不妊治療中であることを知らなくてはなりませんが、必要な人にだけ必要な情報が伝わる体制をつくるようにしてほしいと思います。

子育て支援パスポート事業については、子供ウェルカムという意思表示が分かるだけで安心して入店できる家族も多いと思います。今後も区から積極的な働きかけをお願いいたします。さらに、区独自のパスポート事業への展開も前向きに御検討いただけたらうれしいです。

本の森ちゅうおうは、本区のシンボル的存在になると思います。人間形成の礎となる読書のスタートライン、乳幼児期の絵本の読み聞かせが本の森ちゅうおうの目玉事業の一つとなるような積極的な展開を期待しています。

同時に、読書手帳の活用など、子供たちが楽しく本を読む環境を整備することで読書量が増加し、考える力が養われ、知識の量も増えていきます。人間形成、人格形成の上で欠かせない読書を子供たちにとってより身近なものにするために、ぜひ読書通帳の採用に前向きな御検討をお願いいたします。

一方で、電子書籍の普及も進んでいます。電子書籍のメリット、デメリットを考慮しつつ、子供たちが電子書籍に触れ合う機会もつくっていただけたらと思います。

今回、私が質問で提案した内容について、少しでも区政に反映していただけるようお願い申し上げます。

以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

(拍手)

一覧に戻る