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令和4年 第二回中央区議会定例会 (6月22日)

議事録

梶谷委員

立憲民主党新風会の梶谷優香です。令和四年第二回中央区議会定例会に当たり、通告書に従い、質問をさせていただきます。一般質問の二日目となり、質問が重複する点もあるかと思いますが、区長並びに関係理事者の皆様におかれましては、再度の御答弁をお願い申し上げます。なお、再質問をあらかじめ留保いたします。

初めに、災害・防災対策についてお伺いします。

近年、日本では様々な自然災害が発生しています。この十年間においては、二○一一年の東日本大震災をはじめ、二○一六年の熊本地震、二○一八年の西日本豪雨、北海道胆振東部地震、二○一九年の台風十九号などにより、日本各地で甚大な被害が生じています。災害への備えと災害時の対応は、全国の地域で重要な課題となっており、中でも、障害者は、災害時において困難な状況に置かれることが想定されます。二○一一年の東日本大震災では、障害者手帳を持つ人の死亡率は、全住民の死亡率の二倍に上ったことがNHKの調査から分かっています。そして、避難所に貼られた連絡事項に気づかなかったり、音声案内が聞こえなかったケースもありました。災害時の避難等に支援を要する障害児・者の緊急時の備えは、自治体の取組として重要となっています。

聴覚障害者らは、外見だけで障害の有無が分かりにくく、災害時に障害者らが支援から取り残されないよう、近年、多くの自治体で、避難するときや避難所でサポートが必要かどうか一目で分かるよう、文字メッセージやピクトグラムで支援が必要なことを表示したバンダナやベストを作成、配布しております。目立つように蛍光色のベストに反射材をつけたり、音で周囲に居場所を知らせるなどするための笛も併せて配布している自治体もあります。バンダナタイプでは、防寒対策や止血などにも利用できるようになっております。

さて、本区でも同様の取組を行っていることは承知しておりますが、ホームページや地域防災計画の中で、特に具体的な表記が見つけられませんでした。当事者団体からの要望があり、導入する自治体が多いとのことですが、本区が導入に至った経緯、現在の配布方法、活用方法について教えてください。

神奈川県秦野市では、不織布製のヘルプマーク付防災ベストを市内の避難所に導入しております。必要な支援を書き込むスペースもあり、見える化することで理解やサポートを受けやすくする狙いがあります。両面の中央部にヘルプマークが印字され、耳が聞こえません、ゆっくり話してくださいなど、障害者が知ってほしい状況を書き込むスペースがあり、視聴覚障害者以外の多くの様々なサポートを必要とする方々に対応できる汎用型の障害者用災害ベストとなっております。秦野市の障害福祉課によると、価格もプラスチック製より安価で、汚れた場合は使い捨てもでき、衛生面にも利点があるそうです。

本年四月一日時点での本区の視覚障害者は二百一人、聴覚障害者は百七十六人となっております。本区も既に取り組まれている事業ではありますが、配布方法、周知方法、備蓄数など、見直していく必要があると思います。さらに、まだ見た目では分かりづらい妊婦への配布や、手話ができる、荷物が運べるなどの支援者が着用し、提供可能な支援を一目で分かるような工夫も必要と考えます。本区の御見解を教えてください。

東日本大震災において高齢者や障害者の被害が甚大であったことを受け、二○一三年に災害対策基本法の一部が改正されました。これにより、高齢者、障害者、乳幼児等の防災施策において特に配慮を要する者、要配慮者のうち、災害発生時の避難等に特に支援を要する者を把握するため、避難行動要支援者名簿の作成が自治体の義務として規定されました。避難行動要支援者名簿は自治体の義務として規定されているため、ほぼ全ての自治体が作成済みとなっておりますが、一方で、避難行動要支援者名簿に登録する避難行動要支援者の対象や名簿の作成方法は、各自治体によって違いがあります。

本区では、災害時地域たすけあい名簿として、施設等に入所されている方を除く七十五歳以上でひとり暮らしの方、要介護三から五に該当する方、身体障害者手帳第一種の記載があるものをお持ちの方、言語・視覚・聴覚障害の全等級、肢体不自由の一級から三級に該当する方、愛の手帳の一度から二度に該当する方、精神障害者保健福祉手帳の一級に該当する方、そして、その他災害時の支援が特に必要な方としております。本区で把握できている該当する方は、具体的に何人おられるのでしょうか。障害者の方の中でも、同居人や支援者がそばにいる方で、名簿への登録が必要ない方もいらっしゃると思いますが、本区で把握できている要支援者のうち、現在登録されている方の割合はどのくらいになるのでしょうか。

広島県三次市では、新たに名簿を作成する際、登録者側から拒否された場合のみ名簿から除く、逆手上げ方式を採用しました。三次市では、同意した人の情報のみを平常時に事前提供する手上げ方式を採用しておりましたが、二○二○年の十月末時点で、市が把握している要支援者のうち、自主防災組織などへ事前提供されているのは一五%にとどまっておりました。手上げ方式では支援が必要な人を取りこぼしてしまうことから、昨年十二月に、要支援者たちに名簿情報を関係機関などに提供する旨の案内文を送付し、提供を拒否する返信をした人を除いて、新しい名簿を作成しました。以前の登録者数が約八百人だった名簿は、最終的に約二千二百人になりました。個人情報の目的外使用や情報流出を防ぐため、提供先に誓約書の提出を要請し、組織内で名簿をやり取りする際も、その都度、誓約書が必要になるなど、今までの課題でもあった個人情報の課題も最大限考慮されております。自分の個人情報を地域に公開していいのか、要支援者の多くが悩んでおり、自治体の名簿への登録は了承しても、デリケートな情報なだけに、地域の自治会への情報提供は拒否する方が多く存在しているのが現状です。広島県三次市の逆手上げ方式による名簿作成方法は、支援が必要な人の取りこぼしをなくす大きな取組ですが、人数が大幅に増えたことにより、支援者の確保の課題もあると思っております。

本区の場合、在宅避難を呼びかけておりますので、特に安否確認が必要になってくると思います。マンションの自治会によって災害時の対応に差があり、本区の災害時地域たすけあい名簿の登録方法や活用方法は見直しが必要と考えます。本区の災害時地域たすけあい名簿の在り方、さらに、現在の登録方法、活用方法について御見解を教えてください。

令和二年第四回定例会での一般質問において、災害時に開設する避難所の混雑状況をリアルタイムで表示するサービスの導入について提案させていただきました。感染症予防の観点から、混雑状況の可視化が効率的な避難を促す、このようなサービスを中央区の防災マップアプリにも組み込んでいくべきではないかとの質問に対し、区長からは、コロナ禍において、避難所の混雑状況をリアルタイムに発信していくことは感染症拡大防止の上で大切な取組であると認識している、防災マップアプリによる避難所の混雑状況の配信に向けては、システム改修を伴うため、今後、費用対効果を含め検討、ホームページにおいては、現行システムでも対応可能なことから、避難所の混雑状況を区民の皆様に分かりやすく提供していくとの答弁がありました。このような改善も含め、中央区防災マップアプリのさらなる活用について、本区の検討状況を教えてください。

次に、安全・安心・魅力あるまちづくりについてお伺いします。

町内会・自治会への住民の世帯加入率が二○二一年度に平均で七一・八%となり、十年前に比べて五・八ポイント減ったことが、総務省による初の全国実態調査で分かりました。都市部の集合住宅が増えて住民の接点が減り、役職や活動を重荷と感じる人たちが増えているのが要因とされております。スマートフォンアプリでの情報共有など、活動のデジタル化による負担軽減が進んでいない現状も明らかになりました。総務省は、二○二一年夏から、有識者による地域コミュニティに関する研究会を設置し、アンケート結果を受け、状況を改善しようと活動のデジタル化に着目し、行政調査の協力や地域イベント告知、役員会の報告について、これまで情報提供してきた回覧板をスマホアプリに代替させることなどで負担軽減を目指しています。今回の調査で、回答を得た一千七百四十一市区町村のアンケートでの現状では、ホームページや電子メールの活用が一○%程度、専用アプリの活用は一・五%にとどまりました。高齢者に電子機器の操作を身につけてもらうことも課題となっています。

本区でも、本年の五月に、百七十七の町会・自治会に対し、デジタル化のアンケート調査を行いましたが、現時点での回答率、そしてアンケート結果について教えてください。さらに、アンケート結果を受けて、今後の課題など、本区の御見解を教えてください。

富山県富山市では、電子回覧板を導入する町内会を支援する補助事業が好評で、地域コミュニティの醸成に加え、若い世代に町内会活動に関心を持ってもらう手段として、活用を期待しています。福岡県福岡市では、制度的な位置づけを明確にし、加入促進を狙うため、町内会、自治協議会の役割を明記した、共創による地域コミュニティ活性化条例を施行しました。茨城県神栖市では、町内会に加入するとカードがもらえ、市開催のイベントに参加すればポイントがたまり、市内店舗での買物に利用できる施策を行いました。このように、多くの自治体が同じ悩みを抱え、様々工夫をし、改善しようと努力をしております。

本区もこれまで地域コミュニティ活性化のための施策を行ってきましたが、本区の御見解、さらに今後の課題について教えてください。

次に、福祉の充実についてお伺いします。

障害があると証明したり、各種割引を受けたりするのに必要な障害者手帳が、近年、大きく変わりつつあります。紙製で破れやすく劣化しやすいことや、外出先で取り出すのに手間取ることから、不便さを感じる人が多く、国がカード型を認めたほか、手帳代わりに使えるスマートフォンのアプリも登場しました。持ち運びやすくすることで、当事者の外出を後押しする狙いもあります。身体障害者手帳や精神障害者手帳の場合は、鉄道、バスをはじめ、交通機関の料金の割引を受ける際に、民間事業者、ミライロが提供する、マイナポータルと連携し本人確認ができるスマートフォンのアプリを活用することができるようになり、手帳そのものの提示が必要なくなりました。ですが、知的障害者の方が持つ療育手帳については、各自治体が管理している手帳の情報と所持者のマイナンバーがひもづけられて活用されるという仕組みになっていないため、交通機関の料金の割引を受けるには、手帳本体を携帯し、その都度取り出して提示する必要があり、まだ課題も残っております。

この問題に取り組んでいる河野太郎衆議院議員によると、昨年九月の時点で、総務省と厚生労働省に対し、早期対応を要請し、マイナポータルで表示するために必要な情報連携の項目は、総務省が毎年六月にまとめて追加していること、地方自治体においてシステム改修のための時間と予算が必要なことを踏まえ、二○二二年六月に対応するとの回答があったとのことでした。それを踏まえ、本年六月以降はさらに多くの自治体で障害者手帳のアプリ導入を拡大する予定ということです。現在、百四十五自治体で導入が進み、アプリを使える場所は全国的に拡大しており、公共交通やレジャー施設も導入が進んでいます。このアプリを日常で使用されている方が、本区の公共施設等では原本と同様の対応が取れるよう各公共施設に周知を行うなど、本区として、障害者手帳アプリ導入についての御見解を教えてください。

障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が五月二十五日に施行されました。法律の目的は、全ての障害者が社会を構成する一員として、社会、経済、文化、その他あらゆる分野の活動に参加するために、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に推進することです。聴覚障害者の当事者団体が中心となって超党派の議員に働きかけて成立した法律で、障害者が日常的な生活を送るために必要な情報の取得に関する基本理念、国・地方公共団体・事業者の責任及び基本的な施策の六つの方向性が定められています。障害の種類にかかわらず、必要な情報を得て円滑に意思疎通できるよう国や自治体は施策を定め、実施する責務があると規定され、その際は当事者の意見を聞き、尊重するよう求めています。

今回の新法の施行に対する本区の今後の対応や課題について、御見解を教えてください。

男性トイレの個室にサニタリーボックスを設置する動きが一部自治体や商業施設に広がっていることは、報道で知っている方が多いと思います。尿漏れパッドの捨場に困っていた多くの前立腺がんや膀胱がんの患者らの悩みが解決されようとしています。埼玉県さいたま市では、市の施設三百三十三施設のうち、男性トイレにサニタリーボックスを置いていたのは八施設のみでしたが、区役所の男性トイレにサニタリーボックスを設置し、今後、体育館や文化施設にも順次拡大する方針だそうです。埼玉県加須市、愛知県日進市、三重県伊勢市も、三月から四月にかけて市庁舎での対応を完了しております。

区施設における本区の対応、今後の設置予定など、教えてください。

次に、妊娠・出産から子育て環境の充実についてお伺いします。

低出生体重児、リトルベビーの子育てをサポートする取組が各地で広がっています。低出生体重児の中で最も多いのは、二千グラム以上、二千五百グラム未満で生まれる赤ちゃんですが、一千五百グラム未満の極低出生体重児や、一千グラム未満の超低出生体重児として生まれてくる赤ちゃんもいます。こうした小さく生まれた赤ちゃんの成長を見守るためにつくられたのが、リトルベビーハンドブックです。

一般的な母子手帳の様式では、小さな体で生まれた赤ちゃんの身長、体重や発達を記録しづらいという難点があります。一般的な母子手帳は、乳幼児身体発育調査の結果を基に作成されているため、体重は一キログラム、身長は四十センチから目盛りが始まります。一方のリトルベビーハンドブックは、体重一千五百グラム未満の発育曲線が描かれ、目盛りはゼロを起点としています。NICUでの記録や退院時のケアについて記録できるページ、修正月齢による発育状況を記入する欄などが設けられており、成長の経過が分かりやすくまとめられています。一般的な母子手帳の保護者の記録、寝返りをしますか?などの欄への記載に「いいえ」が続いてしまい、修正月齢で記入しようとしても「いいえ」になることが多く、母子健康手帳に対する興味を失ったり、記入が苦痛になるという声があります。また、一般の子育ての取組に参加しても、つらい気持ちになり、何か月ですかと聞かれるのが怖くなってしまったり、ほかの子供と比べてしまい、自分の子供の成長を客観的に見ることを見失ってしまうことがあるそうです。こうした不便さとママやパパの不安を解消するために、リトルベビーハンドブックでは様々な配慮がなされています。

内容は、発行する自治体によって異なりますが、多くは低出生体重児を持つ当事者であるママや小児科医などが制作に携わっており、実際の経験に基づいた情報が盛り込まれているのが特徴です。おおむね三歳までの成長や治療の記録ができ、母子手帳との併用も可能です。二○二二年四月現在、八県六市で運用されており、最近では、導入を検討する自治体が増えています。

本区でも、毎年、十人ほどの一千五百グラム未満で生まれた赤ちゃんたちがいます。一からの制作でなくとも、既存のリトルベビーハンドブックを参考に、中央区版として作成していただき、ぜひ配布の前向きな検討をお願いしたいと思います。

さらに、ツインズクラブのように同じ境遇の親御さんたちがつながれるような機会を積極的につくってほしいと思いますが、区の御見解を教えてください。

令和二年第四回中央区議会定例会をはじめ、令和三年第三回での一般質問、そして委員会の場で何度も中央区の子育てサイトの情報発信の在り方、アプリ化について提案してきました。母と子の健康モバイルサイトに関しては、中央区からのおしらせに関する課題等に何度も触れさせていただきました。今年度より中央区の子育てサイトのアプリ化が実現、そして運用が開始されました。母と子の健康モバイルサイトは、ちゅうおう子育てナビアプリとして名称も新しくなりましたが、中身に関して、母と子の健康モバイルサイトからどのように変わったのか具体的に教えてください。母と子の健康モバイルサイトのときと同様、一番上に表示される中央区からのお知らせに関しては、二○一六年に一回、そして、その次は二○二○年八月で、それ以降は一度も更新されていません。お知らせや流行疾患情報などの情報提供の在り方、今後の更新について区の御見解を教えてください。

最後に、教育環境の充実・学習活動の推進についてお伺いします。

公職選挙法が一部改正され、十八歳選挙権が始まり、学校現場などで、将来を担う子供たちの主権者教育が重要となりました。現在、多くの自治体で子ども議会や若者議会が開催されています。二十三区でも、新宿区のしんじゅく若者会議、墨田区の中学生区議会、北区の中学生・高校生モニター会議、練馬区の子ども議会など、八区が行っております。会議の主催部局、対象となる子供・若者の範囲、実施形態は様々ですが、議会の仕組みや意義、政治参画の重要性を理解してもらうために開かれています。昨年四月一日に東京都こども基本条例が施行され、子供は大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在であり、あらゆる場面において権利の主体として尊重され、最善の利益が保障されなければならないと明記されています。子供のことを総合的に扱っていく条例ができることで、あらゆる政策や子供・若者計画などの計画に子供の権利の視点が生かされているかを見る指標となります。

東京都こども基本条例には、第十条、こどもの意見表明と施策への反映、第十一条、こどもの参加の促進、第十三条、こどもからの相談への対応の条文が含まれております。子供は主体者であり、子供の意見表明の機会と、それを施策に反映していくことをうたっており、子供は大人と一緒に未来をつくり出すパートナーとして、子供が一緒に参加していく仕組みが必要となります。

本区の未来を担う子供たちに、教育の面からも、自分が住むまちの行政の仕組みや、区政に対しての興味や関心を持たせるきっかけとして、また、若い世代が政治へ参加していく意識の底上げができる可能性を秘めた取組として、本区でも小・中学生を対象にした子ども議会を開催すべきと考えますが、御見解を教えてください。

以上で第一回目の質問を終わります。

区長(山本泰人君)

梶谷優香議員の御質問に順次お答えいたします。

初めに、災害時における視聴覚障害者支援の取組についてであります。

区では、様々な障害に対応できるバンダナ式ヘルプカードを障害者団体による検討を踏まえて作成し、防災拠点に配備するとともに、希望する方へ、障害者福祉課窓口や郵送で配布しているところです。バンダナの活用は、支援が必要な方が身につけることにより、常時視覚的に伝えることができ、適切な支援につながるものであります。周知については、障害者のための窓口案内への掲載や、健康福祉まつりでの展示など、様々な機会を捉えて行っており、配布に当たっては、利用者の希望を伺いながら対応しています。さらに、各拠点の備蓄数が不足する場合は、障害者福祉課から補充することとしております。なお、中央区聴覚障害者協会からの要望を受けて、聴覚障害者用バンダナも防災拠点に配備しています。

次に、防災拠点における障害者や妊娠中の方など、要配慮者への支援についてであります。

防災拠点に避難されてきた方は、まず初めに、受付で避難者名簿及び避難者カードの作成をします。その際、配慮が必要な内容も記載していただくこととしており、その情報を基に、要配慮者優先居室に受け入れるなど、必要な対応を図ります。また、この避難者カードは、避難者本人が手元に保管し、カードの提示によって、要配慮者へ適切な支援を行っていくこととなります。こうした取組も含め、防災拠点の運営には、避難者同士が助け合う環境づくりが不可欠であり、区としましては、要配慮者へのきめ細やかなサポートはもとより、誰もが安心して避難所生活を送れるよう、今後とも防災拠点運営委員会と連携しながら、受入れ態勢の強化に努めてまいります。

次に、災害時地域たすけあい名簿の強化についてであります。

災害時地域たすけあい名簿には、令和四年五月一日時点で、登録要件に該当する対象者七千六百三十二名全てを登録しております。このうち、あらかじめ避難支援等関係者に対して名簿情報を提供することに同意された方は二千九百三十四名で、同意率は三八・四%となっています。また、同意確認に関しては、新しく名簿登録の要件を備えるに至った方々に対しては年一回、登録者全員に対しては三年に一回通知を送付し、外部提供に同意する場合は同意書を返送していただく手上げ方式で行っております。現行の方式では明確に意思確認ができるとともに、親族などの緊急連絡先も把握できるメリットもあり、登録方式の見直しは現時点では考えておりません。本区においては在宅避難を推奨しており、区民の約九割がマンションに居住するという実態を踏まえ、令和三年度から一定の要件を満たすマンション管理組合に対して、災害時地域たすけあい名簿の提供を開始いたしました。その活用方法につきましては、平常時における災害時のための体制づくり、支援が必要な人の把握、自助の取組啓発などを地域活動の中で取り組んでいくことが大切であることから、マンション管理組合を対象としたワークショップを開催し、啓発を行っているところです。また、各防災拠点運営委員会等において、名簿を活用した安否確認訓練を実施することにより、適正な管理・活用が図られるよう積極的に推進してまいります。

次に、防災マップアプリの活用についてであります。

本アプリは、災害時に区民や帰宅困難者を円滑に避難所等へ誘導することや、速やかに災害情報を配信することを目的に、平成二十九年度から運用を開始し、これまで、災害情報の一斉送信システムとの連携や防災拠点における情報伝達に使用できるチャット機能の追加など、その充実に努めてまいりました。現在、区では、さらなる充実に向けて、避難所の混雑状況について、より分かりやすい表記方法や、水害などが発生した際に避難する指定緊急避難場所及び防災拠点を補完する副拠点の開設について、情報発信の必要が生じた場合に表示できる機能の導入を検討しているところです。また、この間、ホームページにおいては、避難所の混雑状況を発信できるよう整備したところであります。今後は、防災拠点運営委員会及び帰宅困難者支援施設運営協議会を中心として、本アプリを活用した情報伝達訓練を実践していくなど、地域防災力の向上に資する取組を鋭意進めてまいります。

次に、町会・自治会におけるデジタル化の取組についてであります。

本区の地域のコミュニティの核である町会・自治会は、下町ならではの人情や連帯感により形成されてきましたが、コロナ禍の新しい生活様式への変化等に伴い、対面での交流を基盤としながらも、デジタルを融合した地域活動の推進が必要になっております。そのため、全団体に対して、デジタル化の現状と意向に関する調査を実施したところであります。現時点での回答率は約七割であり、集計の速報値では、そのうち半数の団体がデジタル化が進んでいないと回答しております。また、デジタル化したい項目として、「回覧板」が約三割と最も多く、次いで「行事などの出欠確認」となっております。さらに、区に希望する支援の項目としては、「講習会の開催」が約二割と最も多く、次いで「SNSの開設支援」となっております。現在、調査結果は集計中であることから、今後、課題等を把握し、具体的な支援策を検討してまいります。

次に、地域コミュニティの活性化についてであります。

区では、長引くコロナ禍で、対面での地域活動の停滞による地域コミュニティの希薄化を大いに危惧しており、人と人とが直接触れ合い交流する場を提供することが極めて重要との考えの下、今年度、大江戸まつり盆おどり大会の開催を決断したところであります。また、こうした区の判断を受け、町会・自治会においてもイベント再開に向けた機運が高まっていることから、区内各所でイベントが開催されるよう積極的な支援を行うことにより、本区ならではのにぎわいと活気に満ちあふれた地域コミュニティの活性化を図ってまいります。

次に、障害者手帳アプリについてであります。

民間事業者が開発した障害者手帳アプリは、障害者手帳を提示することなく割引が受けられるもので、近年、公共交通機関や自治体サービス等で導入が進んでいると認識しております。区といたしましては、アプリを活用することが障害のある方の利便性の向上に資することから、今後、区施設等においてもアプリに対応できるよう、周知に努めてまいります。

次に、情報のバリアフリーについてであります。

去る五月二十五日に施行された障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法は、日常生活や災害時等に必要な情報を、障害の有無にかかわらず、同一の内容で時間差なく得られる社会の実現を目指すことを目的としており、地方自治体に対しては、地域の実情を踏まえ、障害者が情報を取得し、利用するための施策を実施することが求められております。本区においては、これまでバリアフリーマップの作成・配布のほか、点字広報、声の広報の配送や手話通訳の派遣など、障害の特性に応じた情報提供に努めているところです。今後は、誰もがいつでも必要とする情報を手軽に入手し利用できるよう、課題等を整理し、情報のバリアフリーの充実に向けて検討を進めてまいります。

次に、男性トイレへのサニタリーボックスの設置についてであります。

現在、本庁舎においては、四か所あるバリアフリーのトイレに設置をしているところであり、他の区施設においても、基本的に同様であります。男性トイレへの設置に関しては、病気や加齢などにより配慮が必要な方もいることから、今後、利用者の声なども伺いながら、対応を検討してまいります。

次に、小さく生まれた子専用の手帳についてです。

小さく生まれた子は、体のつくりが未発達なため、出生後に特別なケアが必要であり、保護者においても不安があることから、区では、専用の冊子、「小さく生まれた赤ちゃん」をお渡ししています。また、現在、国において、母子健康手帳、母子保健情報等に関する検討会が設置され、低出生体重児や障害のある子供など、多様性に配慮した情報提供についても議論されております。区といたしましては、国の動向を注視するとともに、さらなる情報提供の充実について研究してまいります。保護者の方が集まる機会については、御家庭ごとに状況も異なり、区として、そのような機会を設けることは難しいところですが、今後も保護者の皆様お一人お一人に寄り添った支援を行ってまいります。

次に、子育て世帯への情報提供の強化についてであります。

今年度から導入したちゅうおう子育てナビアプリでは、これまで母と子の健康モバイルサイトで行っていた小児定期接種など個別のプッシュ型の通知に加え、お子さんの成長の記録や医療機関の検索、マップとの連動などができるようになっております。今後は、離乳食講習会や歯の健康相談などについても、区のおしらせやホームページへの掲載に併せて、アプリでのプッシュ通知を行うなど、積極的な情報発信に努めてまいります。

私からの答弁は以上であります。

教育長(平林治樹君)

教育問題についてお答えします。

将来を担う子供たちの政治意識の醸成についてであります。

日本の未来を担う若者が義務教育段階から政治や行政に関心を持つことは重要なことであり、意義深いものと認識をしております。現在、本区では子ども議会を開催しておりませんが、社会科において、小学校では政治の基礎を、中学校ではさらに具体的な政治の仕組みについて学び、その際には本区の区議会や行政と照らし合わせながら理解を深めているところであります。また、中学校では、実際の選挙で使用している投票箱で生徒会役員選挙を実施しており、候補者演説や投票行動を通して、子供たちが選挙や政治の必要性を実感できる活動を行っております。今後も、子供たちが主体的に考え、自らの意見を持って行動する取組を進めていくことで、政治や行政に対する関心と社会参画への意識を高めてまいります。

答弁は以上であります。

梶谷委員

それぞれ御答弁ありがとうございます。

世界で発生する大地震の約二○%が日本で起こっており、いつ地震や台風、大雨の自然災害に襲われても不思議ではない状況です。サポートが必要かどうか一目で分かるということは、障害があることが伝わらなかったがための周りの被災者とのもめごとなどを防止する役割も果たせます。新しくできた大型の高層マンションでは、自治会組織の中で、安否確認等は既に対策されていると思います。中小規模のマンションでは、自治会組織が機能しておらず、在宅避難の中で取りこぼしてしまう危険があると思います。災害時地域たすけあい名簿の全体の更新は三年に一度であり、年に二度更新する自治体もある中で、少ないように感じます。今後も、課題等を精査しながら、活用方法について検討していただきたいと思います。

本区では、在宅避難を呼びかけておりますが、不安から避難所へ足を運ぼうと悩む人が多くいると思います。高層マンションにお住まいの方で、エレベーターが復旧するまで自宅への帰宅が困難になる方もいます。避難所の混雑状況を可視化することは、避難が長期化した際にも役立つと思います。災害・防災対策の観点からも、町会への加入促進は、自治体が力を入れて取り組まなければいけない課題だと思います。例えば、転入手続時に、区役所窓口において、居住地の町内会名と町内会の案内や連絡先等を紹介し、町内会への加入を促すなど、ぜひ積極的な対策を講じてほしいと思います。

今回の一般質問は、障害者の方の暮らしに関わる課題等を多く取り入れました。身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法を縦軸として施行されたのが障害者総合支援法です。その上位の法律として、障害者基本法があります。これらの法律を全て行使して、ノーマライゼーションという思想を浸透させていこうというのが、この一連の法律が制定された目的です。ノーマライゼーションとは、たとえ障害があったとしても、一般の人と同じように生活ができるように、必要に応じた支援をしていくことにより差別をなくす考え方です。全ての障害福祉系の施策の根底には、ノーマライゼーションの理念があります。障害者の方が暮らしやすい社会づくり、ノーマライゼーションとして、今後も、障害のある方を含むマイノリティの方々に適した形で整備してほしいと思います。

リトルベビーハンドブックは、NHKの調査で、少なくとも十八の府と県で導入に向けた作業や検討が進められていることも分かっております。小さく生まれた赤ちゃんの育児に悩んだり、つらい思いをしたりしている親の思いを自治体側が受け止め、同じ境遇の保護者の方たちが情報交換などができるように、サークル活動を支援したり、リトルベビーハンドブックの手帳を通して支援し、誰一人取り残さない、切れ目のない支援を実現してほしいと思います。

最後に、八王子市のはちおうじ子ども議会の政策事例報告を一部抜粋し、紹介します。

自分の住むまちについて「リアル」に知ることや疑問に感じること、働きかけることについて子どもが取り組むことは、「子どもは市民である」という行政の自覚であり、五年後十年後に大人となる次の世代に対しての基礎自治体の責任でもある、大人社会に向けて子どもたちがその存在をアピールしていく活動の意義は大きく、体験を通じて子ども自身が学ぶこと、変わっていくことが非常に多い、そうした取り組みの必要性は子どもの施策を進めるうえでもっと認識されてもいいのではないだろうか、本市は今回の子ども議会を通じて「物言わぬ小さな市民」のためにそうした機会を設け、元気な八王子市民としての意識を育て始めたと言えよう。

ぜひ、本区でも前向きに検討していただきたいと思います。

今回、私が質問で提案した内容について、少しでも区政に反映していただけるようお願い申し上げます。

以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

(拍手)

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