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令和4年 第三回中央区議会定例会会議録(9月20日)

議事録

梶谷委員

立憲民主党新風会の梶谷優香です。令和四年第三回中央区議会定例会に当たり、通告書に従い、質問をさせていただきます。なお、再質問をあらかじめ留保いたします。

初めに、災害・防災対策についてお伺いします。

政府は、本年六月に見直した国の防災基本計画で、アレルギーに対応した食料の備蓄を自治体の努力義務として、初めて明記しました。今後、都道府県や市区町村がそれぞれの地域防災計画にそれらを反映させることになります。

東日本大震災の被災地では、食物アレルギーに対応した食品の備蓄や受入れ態勢が整備されていなかったことから、アレルギーのある住民が避難先で誤食し、命の危険にさらされる事態が生じたり、食事に不安を覚えて避難をためらったりするケースがありました。さらに、アレルギー対応物資を被災地に送っても、一般物資に紛れてしまい、食物アレルギー患者の元に届かないという事例が頻発しました。これらは阪神大震災や新潟県中越沖地震でも発生しており、平成二十五年八月に内閣府が発表した、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針においても、食物アレルギーの避難者にも配慮し、アルファ米等の白米、牛乳アレルギー対応ミルク等を備蓄することや、配られた食事の原材料を避難者が確認できるようにすること等が盛り込まれました。

平成二十七年八月には、日本小児アレルギー学会からも、大規模災害対策におけるアレルギー用食品の備蓄に関する提案がなされました。茨城県龍ケ崎市では、全ての備蓄食料をアレルギー対応食品とし、愛知県日進市などでは、主食の全てをアレルギー対応食品としています。平成二十七年三月に内閣府が発表した避難所の運営等に関する実態調査によれば、指定避難所で備蓄を行っている市区町村のうち、アレルギーに配慮した「備蓄をしていない」と答えた地方自治体は全体の三六%もありました。

アレルギー対応物資は、医薬品支援物資と同様の扱いにしたり、支援物資の受入れ窓口、また、アレルギー等に関わる食の要援護者の相談窓口をあらかじめ決めておくことが必要になると思います。現在、本区の備蓄品のアレルギー対応はどのように行っているのでしょうか。現状、そして課題等がありましたら教えてください。

厚生労働省によれば、乳児の約一○%が食品アレルギーの体質を持っているとされています。認定NPO法人アレルギー支援ネットワークによると、災害時には心理的に母乳が出なくなることもあるため、牛乳アレルギーの赤ちゃんの命を守るために、一定量のアレルギー対応育児用ミルクを、ミルク全体の備蓄量のうち、二から三%程度は備蓄するよう推奨しております。本区でも、アレルギー対応育児用ミルクの備蓄を行っていますが、ミルク全体の備蓄量のうち、何%程度となっているのでしょうか。

災害発生時をシミュレーションする防災訓練は、アレルギーに関する啓発活動の絶好の機会だと思います。アレルギーのブースを設けたり、炊き出し訓練の中にアレルギー対応を取り入れたりすることで、多くの関係機関や区民にアレルギーに関する啓発活動をすることができると思います。訓練の中で食物アレルギーやアレルギー表示について勉強することで、災害時に安全な炊き出しを提供することができるようになるのではないでしょうか。

災害時でも最低限の生活環境が確保されるよう、特にアレルギー疾患を持つ家族のいる家庭では、ふだんから備えておく必要がありますが、災害時におけるアレルギーに関する啓発活動は、現在、どのように行っているのか教えてください。

令和三年第四回中央区議会定例会において、防災対策の充実の一環として行っている本区の防災用品のあっせん事業について触れ、未就学児も使用できる乳幼児用防災頭巾、消毒済みの使い切り哺乳ボトル等の乳幼児に必要な防災用品も追加していただきたいと要望させていただきました。区長答弁として、今後、社会福祉法人が取り扱う乳幼児向け防災用品もあっせん品目に追加することを検討してまいりますと、前向きな答弁をいただいたと認識しておりますが、その後の検討状況、今後の追加予定を教えてください。

次に、安全・安心、魅力あるまちづくりについてお伺いします。

国土交通省は、平成十年度から三年ごとに、都市公園等における遊具等の設置状況や安全点検の実施状況等について調査を実施し、令和元年度末時点の調査結果が今年の六月に公表されました。全国の都市公園にあるブランコなど遊具、計約三十九万基のうち、二○一九年度に修理・撤去などの安全確保措置の対象となったのは、一八・五%に当たる七万二千六百七十二基だったことが今回の調査で分かりました。さらに、全遊具の四九・七%は設置から二十年以上が過ぎていたことも分かり、バブル期に多数設置された公共の遊具は相次いで更新時期を迎えています。しかし、自治体が多額の整備予算を組むのは難しく、修理や新設費用を寄附で賄う取組を進めた自治体もありました。

撤去分を含む遊具数に占める安全確保措置が必要となった割合が最も高かったのは、滑り台や小屋などを組み合わせた木製の複合遊具で四四・一%、次いで、ジャングルジムが回る回転塔の二八・一%でした。安全措置の具体策としては、ねじ締めやテープ補修などの応急対応が最も多く、本格的な措置として修理、更新、撤去などが行われました。設置から二十年以上経過した遊具では、コンクリート製の山や砂場、つり輪の老朽化が目立ち、三十年以上を経過した遊具は三三・四%あり、一一・六%が年数不明とのことでした。

そこで、本区の現状について質問いたします。

公園遊具の全体のうち、二十年以上経過している遊具または年数不明の遊具は幾つあるのでしょうか。

本区では、公園内に案内板を設置し、水とみどりの課への直通番号を掲示して、遊具等に関することで何かあった際は直ちに通報できる形になっていますが、公園が多く使われる土日・祝祭日、そして平日でも、時間帯によってはつながりません。改めて確認させていただきますが、本区では、全ての公園内に案内板が設置され、そこには土日・祝祭日の連絡先も明記されているのでしょうか。そして、区民から通報があった場合には、本区としてどのように対応しているのでしょうか。

以前より要望しておりますように、公園等の遊具の不具合について、区民の皆様が簡単、スピーディーに連絡、通報できるよう、なお一層の工夫をしていただきたいと思います。現在、本区としても力を入れているLINEと連携をし、公園遊具と併せて、道路の不具合なども画像つきで通報できる仕組みをつくっていただけないでしょうか。道路の陥没やガードレールの破損などをLINEで道路課に通報できるシステムの利用は、写真や位置情報を送信することができるため、電話での通報に比べて情報量が多く、行政側が現状を迅速に把握できるという大きなメリットがあります。LINEを活用した、このような方法をぜひ検討していただきたいと思いますが、本区の御見解はいかがでしょうか。

千葉県八街市で下校中の児童五人が飲酒運転のトラックにはねられて死傷した事故から、六月二十八日で一年がたちました。文部科学省と国土交通省、警察庁が公立小学校の通学路の安全対策の進捗を公表し、通学路の全国点検で対策が必要とされた危険な箇所七万六千四百四か所のうち、今年三月までに対策が講じられたのは五九%と公表しました。具体的には、見守り活動や安全教育など、学校や教育委員会によるソフト対策が必要なおよそ四万か所については八九%で、信号機の設置や速度規制など、警察による対策が必要なおよそ一万七千か所については六七%で対策が講じられています。一方、歩道の整備や防護柵の設置など、道路管理者によるハード対策が必要なおよそ四万か所については、土地の取得など、調整に時間がかかっているなどの理由から、四二%となっています。国は、来年度末までにガードレールや歩道の設置などのハード対策と、警察による速度規制やボランティアによる見守りなどの対策を組み合わせて安全性を高める計画としています。

今回の調査による本区の現状について、対策が必要とされた危険な箇所は何か所あったのか、その中で既に対策が講じられた場所は何か所か、さらに特筆すべき事案、場所があれば教えてください。また、子供たちに対する安全対策の取組についても教えてください。

大阪教育大学附属池田小学校の児童八人が殺害された事件から、六月八日で二十一年となりましたが、事件を受けて導入された警察への通報システムを設置する学校は年々減り続けており、全国で三割にとどまっております。警察庁は、二○○三年八月以降、幼稚園から高校まで、不審者が校内に立ち入るなど、不測の事態が起きた場合、直接警察に通報できるよう、子ども緊急通報装置の設置を呼びかけました。文部科学省の調査によると、全国の幼稚園、小・中・高のうち、導入済みは二○○六年が二九・八%、二○一一年には四四・七%まで導入されましたが、二○一五年は三五・四%と、近年は年々低下しています。コスト面を理由に撤去を決めた学校も多く、ボタンを押しても動作しなかったり、音声が途切れたりといった不具合があることも分かりました。

そこで、お伺いいたしますが、幼稚園、小・中学校における子ども緊急通報装置の本区の導入状況について教えてください。また、実際に通報システムを使用した訓練が行われているのかなど、子供たちの安全確保の取組についても、併せて教えてください。

次に、福祉の充実についてお伺いします。

手話の普及を進めようと、東京都議会の百二十六人、全議員が共同提案した手話言語条例が六月十五日に本会議で全会一致で可決、成立し、九月一日に施行されました。条例は、手話を独自の文法を持つ一つの言語と位置づけ、東京都の責務として、手話に対する理解の促進や環境整備を挙げ、災害時には手話を必要とする人が情報を得られるように努めることなどを求めています。

今回の条例制定のきっかけの一つが昨年の東京五輪であり、開会式を生中継したNHKは、手話通訳つきの放映は行わず、聴覚障害者らが改善を要望し、閉会式ではEテレで手話通訳つきの生中継が実現しました。聴覚障害者らが手話を使いやすくなる共生社会を実現するため、東京都に対して、教育現場や職場への支援、手話通訳者の育成を進めるよう、条例では求めています。

本区の山本泰人区長は、全国手話言語市区長会の会員でいらっしゃいます。本区には、令和四年四月一日現在、百七十六人の聴覚に障害のある方が住んでおられ、これまでも手話講習会や窓口での手話通訳者による各種相談や手続のお手伝いをしてまいりました。今回の東京都手話言語条例施行に対する本区の今後の対応や課題など、御見解を教えてください。

国立がん研究センターと国立成育医療研究センターが二○一九年十月に発表した報告書によると、二○一六年から二○一七年に全国のがん診療連携拠点病院など八百四十四施設で、がんと診断されたAYA世代の患者は約五万七千人に上るということです。AYA世代のがんは二十五歳を過ぎると飛躍的に増え、三十代の発症が約七五%を占め、女性の子宮頸がんや乳がんが増えることが要因とされ、二十代から三十代のがんでは、女性が約八割を占めています。AYA世代は就職や結婚といった人生の節目の時期とも重なることから、治療と両立していく負担は重いとされ、支援する動きが広がっています。

末期がん患者は、家族と一緒に過ごし、住み慣れた環境で家族と過ごす療養生活を選ぶケースが多く、在宅療養中は訪問入浴などの介護サービスのほか、介護用ベッドや車椅子などの用具の購入・レンタルが必要になり、こうした費用は一か月当たり数万円に上り、医療費もかかり、本人、家族にとって大きな負担となっています。四十歳以上の末期がん患者が在宅療養をする場合、介護保険制度を利用でき、十八歳未満の小児がん患者には医療費の助成制度がありますが、AYA世代と呼ばれる十五歳から三十九歳のうち、大半が該当する十八歳から三十九歳には、こうした公的な助成制度がなく、家族の経済的な負担を考慮し、在宅療養を避けるケースがあるとされ、助成制度を設ける自治体が増えてきています。

制度の先駆けとなったのは兵庫県で、各地の自治体の助成制度のモデルとなっています。二○一六年度に二十歳から三十九歳の末期がん患者を対象に助成制度を導入した横浜市は、二○二○年度、二十歳未満も利用できるようにし、在宅療養で使う福祉用具のレンタル費の補助を目的として、助成制度を小児がん患者にも広げました。県と自治体とが半額ずつ負担する助成が多い中、自治体単独で独自に助成を行っているところも多くあります。国による制度整備が、介護保険の対象年齢を引き下げるなど抜本的な改革が必要で難しいとの理由で、自治体で独自に助成制度を設けるほうが現実的との見解もあり、自治体間での問題意識の差が大きいのも現状です。

全国がん患者団体連合会の松本陽子副理事長は、AYA世代のがん患者は養育費や住宅ローンを抱えがちで、自宅で療養を続けるには経済的負担が重い、公的な制度の谷間にある世代をつくってはならない、希望する療養が実現できるように、AYA世代に支援の手を差し伸べてほしいと話しています。

このような現状を踏まえ、本区でも、AYA世代に対する助成について前向きに取り組んでいただきたいと思いますが、区の御見解を教えてください。

最後に、妊娠、出産から子育て環境の充実についてお伺いします。

練馬区では、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、安心して出産や子育てをしてもらおうと、出産までの流れや、出産に役立つ呼吸法、赤ちゃんの沐浴や食事などを学べる動画、赤ちゃん準備教室を公開しました。新型コロナウイルスの影響で病院での母親学級の多くが中止となり、妊娠中や出産後の準備を手軽に学べるコンテンツを求める声が上がっていたため、動画制作を決めました。私もコロナ禍での第二子出産は、経産婦という理由で、希望しても母親学級に参加できず、久しぶりの新生児の世話に戸惑ったことを思い出しました。動画では、助産師や妊婦、赤ちゃんが出演し、ポイントを分かりやすく伝え、妊娠中の体の変化や赤ちゃんの歯の健康を守るために必要な妊娠中の口腔ケア、出産後の食事などを取り上げ、赤ちゃんを迎えるカップルが不安を解消できるよう工夫したそうです。動画の最後には、各保健相談所の電話番号を載せ、動画を見て分からないことや不安を感じたら、電話をしてほしいと呼びかけています。

本区でも、公式動画チャンネルの配信を行っておりますが、幼稚園の紹介動画は五百回以上再生されており、子育て世代が注目していることが分かります。本区でも、練馬区のような子育て世代に向けた動画を充実させていただきたいと思いますが、御見解を教えてください。

他の自治体で導入が進んでいる手ぶら登園は、保育施設で紙おむつとお尻拭きが使い放題となり、保護者は、紙おむつ一枚一枚に名前を手書きして持参するという手間がなくなり、保育士は、おむつの個別管理の手間がなくなるという、保護者、保育士双方の課題を解決するサービスです。渋谷区では、この手ぶら登園を、二か月のテスト期間を経てアンケート結果を参考にし、区内の全十八園に導入しました。現在、全国の二千二百七十か所以上の保育施設がこの手ぶら登園を導入し、本区でも二十か所以上の民間保育施設が既に導入しております。また、多くの企業がこのようなサービスを始めており、本区は共働き家庭が多く在住しておりますので、ぜひ、区立保育園においても手ぶらで登園できる仕組みを導入していただきたいと思いますが、御見解を教えてください。

以上で第一回目の質問を終わります。

区長(山本泰人君)

梶谷優香議員の御質問に順次お答えいたします。

初めに、防災備蓄品のアレルギー対応についてであります。

本区では、アレルギー物質二十八品目への対応食として、ライスクッキーやアルファ化米など、約十四万食分を備蓄しております。また、アレルギーをお持ちの方が避難所に来られた際には、避難者名簿にアレルギー内容の記載をお願いするとともに、食料配給時には、御本人からの申入れや配給担当者からの声かけによる双方確認の下、アレルギー対応食をお渡しすることとしています。さらに、備蓄品の外装にアレルギー対応食であることを表示し、慎重を期しているところであります。こうした運用については、避難所を運営する方々が点検、確認していくことが肝要であり、引き続き防災拠点訓練等で取り組んでまいります。また、アレルギー対応の育児用粉ミルクについては、都のガイドラインに基づき、粉ミルク全体の約一○%分を備蓄しています。さらに、災害時におけるアレルギーに関する啓発につきましては、御家族に合わせた食料の備蓄として、掲載した防災パンフレットを本年三月に各家庭に配布するなど、普及啓発に取り組んでいるところであります。

次に、防災用品あっせん事業についてであります。

防災用品のあっせんは、家庭での災害に対する備えを促進するため、社会福祉法人との協定に基づき実施しており、取扱品目については、適宜見直しを行っているところです。乳幼児向け防災用品につきましては、区民からの要望が多くあったことから、使い切り哺乳ボトルと幼児用ヘルメットを本年十月一日から追加することといたしました。今後も、利用される方の御要望を踏まえつつ、取扱品目を充実し、区民の皆様が自助の強化を図れるよう支援してまいります。

次に、公園遊具の安全性についてであります。

令和二年度、国土交通省の調査で報告した公園遊具の全数は、二百七十五基であります。そのうち、年数不明の遊具は百三十七基あり、明確に設置後二十年以上経過している遊具はありませんでした。本区では、全ての公園遊具について、区職員が二か月に一度、巡回による点検を実施するとともに、公園清掃や委託警備員による日々の確認のほか、公園ボランティアの方にも点検に御協力をいただき、不具合の早期発見に努めています。また、国が作成した都市公園における遊具の安全確保に関する指針に基づき、委託業者による年一回の定期点検を行っています。こうした日常点検や定期点検で発見した不具合は、状況に応じて修繕や更新、使用停止等の措置を行うことで、事故の未然防止に取り組んでおります。また、公園の案内板には連絡先が示されており、連絡を受け、担当部署が速やかに対応することとしておりますが、案内板に不明瞭なものがないか、再度点検を実施いたします。今後も、安全・安心な施設利用ができるよう、適正管理に努めるとともに、通報アプリの導入についても検討してまいります。

次に、手話言語条例についてであります。

区では、これまで平成三十年に施行された東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例に基づき、手話通訳者や要約筆記者の派遣事業を行うとともに、障害者サポートマニュアルを配布するなど、手話や筆談によるコミュニケーション手段についての普及啓発に取り組んでまいりました。国においては、本年五月に、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律が施行されるとともに、東京都では、九月に東京都手話言語条例が施行され、さらに、障害者の情報取得及びコミュニケーションに関する条例の制定を検討しております。現時点において、都条例施行に伴う大きな課題はありませんが、今後は、手話の普及啓発に加え、障害の特性に応じた多様な意思疎通手段の利用促進に向けた取組を推進してまいります。

次に、いわゆるAYA世代のがん患者に対する介護サービス費の助成についてです。

東京都が平成三十年に実施したAYA世代のがん患者に関する実態調査によると、がん治療が難しくなった場合に過ごしたい場所は、自宅が最も多く、その際の課題としては、家族への影響や、相談先が分からない、介護サービスに係る費用負担が大きいなどが挙げられています。本区においては、これまでAYA世代の方からの御相談はありませんが、あった場合には、必要な情報の提供や相談・交流の場として、聖路加国際病院内に東京都が設置したAYA世代がん相談情報センターを御紹介することとしております。介護サービス費の助成につきましては、がん以外の疾患で末期と診断された若年期の患者との整合性や、サービスが提供できる事業者の確保など、多くの課題があるため、他自治体の状況を見定めながら、慎重に検討する必要があるものと認識しております。

次に、子育て世代に向けた動画配信の充実についてであります。

区では、区民と直接お会いして相談をお受けしたり、保健指導を行うことで、最も効果的に支援ができると考えております。新型コロナ感染拡大時には、直接参加型の育児支援教室の開催回数が少なくなったり、参加をためらわれる方もいらっしゃったことから、離乳食調理の動画配信や、東京都助産師会作成の母親学級の動画の案内、出産や育児に関するオンライン講習会の開催などの工夫を図りました。今後とも、動画など、様々な媒体を活用するとともに、基本的な感染対策を徹底しながら、参加型教室の回数や定員を増やすなど、子育て世代への支援の充実に努めてまいります。

次に、保育園に紙おむつ等を持たずに登園できるサービスの導入についてであります。

このサービスは、保育園が選んだ事業者と保護者が私的契約を結び、提供される定額制サービスであり、園運営の方針として、独自に事業者を選定できる私立保育園を中心に導入が進んでいるところです。区立保育園で事業者を選定するためには、使用する商品に関する多種多様な保護者のニーズをしっかりと把握するとともに、区民ニーズに適応した事業者の選定方法を担保する必要があることから、慎重に対応していくべきものと考えております。

私からの答弁は以上であります。

教育長(平林治樹君)

教育問題についてお答えいたします。

初めに、通学路の安全対策についてであります。

教育委員会では、令和三年九月に、学校、PTA、道路管理者及び警察による合同点検を実施いたしました。その結果、対策が必要とされた三十六か所については、教育委員会として全て対策を講じております。また、各校において、交通安全を含む安全教育の全体計画及び年間指導計画を作成し、安全な登下校や公共交通機関のマナーなどについて、計画的、系統的に取り組んでいることに加え、PTAの皆様に自転車での安全パトロールやランニングパトロールを行っていただいております。教育委員会といたしましても、学校と地域などが協力して行う見守り活動を補完し、安全対策の強化を図るため、通学路に防犯カメラを設置するなどの取組を行っておりますが、今後も学校のみならず、PTA、道路管理者及び警察等の関係機関と緊密に連携し、児童の登下校時の安全対策に努めてまいります。

次に、学校内での安全確保についてであります。

本区の学校施設内の安全対策といたしましては、不測の事態に備え、警察へ緊急通報する学校一一○番非常通報装置を全幼稚園、小・中学校に設置しております。本装置の使用方法や取扱いについては、教職員に指導し、適切に運用できるよう取り組むとともに、各学校の不審者対応訓練において、動作確認や設置場所の確認等を行っております。また、校外における対策といたしましては、緊急時に近くの店舗などに避難できるこども一一○番事業や、通学路における防犯カメラの設置のほか、子供たちに対しては防犯ブザーを配布するなどの安全対策を実施しております。さらに、学校安全計画や学校危機管理マニュアルに基づき、子供たちの安全確保や生活安全の意識を高めるために、定期的に指導しております。今後とも、校内や通学路の安全確保を最優先に、危機管理意識の向上を図り、安全で安心な学校運営に取り組んでまいります。

答弁は以上であります。

梶谷委員

それぞれ御答弁いただき、ありがとうございました。

食品アレルギーは多様であり、アレルギー表示対象となっている二十七品目以外にも存在します。これら全てに対応することは困難であり、各家庭で必要な食料の備蓄をするよう啓発していくことがとても重要です。

東日本大震災の避難所で実際に起きた事例として、幼い子供がボランティアの方から頂いたお菓子にアレルゲンが含まれており、摂取してしまったケース、ある食べ物をアレルギーがあるので食べられないと言ったら、こんなときにぜいたくを言うなと怒られ、理解を得られなかったケースなどがありました。子供が食品をもらったら、必ず保護者に確認してから食べるよう習慣づけたり、アレルギーのある食品を避けることが命を守るための必要な選択だということを社会みんなで理解するためにも、災害時におけるアレルギーに関する啓発活動は非常に重要です。

一方、乳幼児向け防災用品のあっせん事業については、本区として迅速に対応していただき、本当にありがとうございます。今後も、災害に備えて、あらゆる角度から力を入れて取り組んでいただきたいと思います。

全国の都市公園にある全遊具の四九・七%が設置から二十年以上が経過している中、本区において該当する遊具はゼロ基ということで、大変安心をいたしました。ただ、設置年数の不明な遊具が約半数近くあり、かなり多いことが気になります。安全に遊具を使用できるよう、今後も定期的な点検を行い、迅速な安全措置を行える体制整備をよろしくお願いいたします。そして、区民の皆様が安全・安心して暮らせるまちにするためにも、二十四時間いつでも通報できる仕組みを早急に構築していただきたいと思います。

通学路で子供たちが巻き込まれる交通事故は、全国各地で後を絶ちません。警察庁のまとめによると、登下校中の事故で死亡したり、重傷を負ったりした小学生の児童数は、平成二十八年から令和二年の五年間で九百八人に上っています。この数字は、死者、重傷者が出た事故だけの統計であり、軽いけがやけががなかった事故あるいは中学生以上の子供たちが含まれておらず、実際には、より多くの児童・生徒が事故、インシデントの当事者となっています。子供たちが安全に登下校ができるよう、今後も安全対策について努めていただくようお願いいたします。

そして、本区の全校に警察に直通で通報できるボタンが設置されていることを確認させていただきました。多くの学校で不審者対応訓練を行っており、教職員には、どこから入ってくるかなどの詳細を知らせないまま訓練を行う学校もあり、よりリアルな訓練が重要だと思います。本区としても、今後も訓練に力を入れていただきたいと思います。

手話を言語として位置づけ、手話での意思疎通を日常的にできる社会を目指すのが手話言語条例です。埼玉県久喜市では、聾者の方々への理解を深めるとともに、手話の普及啓発を図るため、学校を通じて、自治体発行の手話リーフレットを配布しています。このリーフレットには、日常生活の会話や挨拶などの簡単な手話が掲載されており、聾者の方々や手話について知るきっかけとなっています。これまでも本区として多く取り組んできましたが、より一層の手話への理解や普及に取り組んでいただきたいと思います。

千葉県松戸市では、AYA世代がん患者の在宅療養支援事業化を検討した際に、約四年間の、居住していたAYA世代がん患者の在宅療養支援の実績について、医師会と訪問看護連絡協議会を対象に調査を行いました。介護面、経済面で大きな負担を抱えている実態が浮き彫りとなり、AYA世代がん患者の在宅療養支援事業が実現の運びとなりました。想定される対象者数は少数であり、限られた期間での支援であるため、人口十万人当たり年間二十万から四十万円程度の予算で対応できると、松戸市は試算を出しました。

地域共生社会実現に向け、あらゆる世代の住民が、住み慣れた環境で家族と過ごす療養生活への支援は、本区にとっても必要な施策だと思いますので、今後も要望させていただきます。

核家族の多い本区において、出産は、妊婦やその家族にとって大きな不安を伴うものです。本区の公式チャンネルを通して、視覚、聴覚両面から情報提供することは意義あることだと思います。安心して出産を迎え、子育てにおける不安の解消の一助となるよう、動画配信についても、今後もぜひ前向きな検討をよろしくお願いいたします。

本区の区立保育園においても、渋谷区等を参考にして、手ぶらで登園できる仕組みのテスト期間を設けることによって、保護者のニーズをはじめ、メリット、デメリットを把握することから始めてみてはいかがでしょうか。共働き家庭の多い本区ならではの行政サービスの一つだと思いますので、双方にとってプラスとなるような仕組みをぜひ検討していただきますよう、よろしくお願いいたします。

今回、私が質問で提案した内容について、少しでも区政に反映していただけるようお願い申し上げます。

以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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